【イタリア旅】美食の都パルマで7年越しの夢を叶える至高の郷土料理ランチ
イタリア旅日記④パルマ

Credit: Yuki Kamiya
ミラノからモデナへ!自由気ままな車旅の醍醐味は「寄り道」

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ミラノのアパートをチェックアウトし、ミラノ・リナーテ空港でレンタカーを借りた夫と私は、次の目的地であるモデナへ向かいました。でもその前に、どうしても寄り道したい場所がありました。それは、美食の都として知られるパルマです。
実はパルマには夫と私が7年前に訪れて、その美味しさに感動した店があります。パルマ郊外に佇むその店の名前は I Tri Siochètt(イ・トリ・ショケッツ)。ここで食べた生ハムとトルタ・フリッタが忘れられず、この7年間ずっと「もう一度行きたい」と願い続けていた店です。
前回来たのが7年前の12月ということは覚えていましたが、当時の写真を見返してみると、なんと日付も同じ17日!まるで導かれていたとしか言いようがない偶然ではありませんかw
2018年のその日、夫(当時はまだ婚約者でした)と私はミラノ・マルペンサ空港に到着して、レンタカーでシエナへ向かっていました。途中でランチを食べようとパルマで高速道路を降りて、良さそうな店を検索してたどり着いたのがイ・トリ・ショケッツだったのです。
その日はどんよりとした冬空で、雪が積もっていましたっけ。懐かしいな。
当時の記事が残っていました。
ついに再訪!7年前に感動したあの味を求めて

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7年ぶりに訪れたイ・トリ・ショケッツはまったく変わっていないように見えました。
畑の中の一本道の脇にぽつんと建つ佇まいも、店の横~裏手にある駐車場も、ミシュランのスティッカーがたくさん貼ってあるクリーム色のドアも、3人の男性が陽気に描かれた看板も7年前と同じ…まるでタイムスリップしたみたいです。

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店に入っていくとカウンターにプロシュートやモルタデッラなどのハムの塊が並び、その脇にはイタリアらしい素敵なデザインのハムのスライサーが設置されています。記憶どおりの光景ですが、写真を見比べるとスライサーの色が明るい赤に変わっていたので、7年の間に新調されたみたいですね。

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客席も前と同じ。レトロな雰囲気が残るアットホームな空間です。
7年前に来たときには、オフィスパーティーのグループ以外はほぼ全員男性のお客さんだったのが印象的でしたが、今回はオフィスランチのグループもいれば、肉体労働者のグループ、リタイアして何年も経つようなシニア夫婦など、さまざまな客層でとても賑やかです。
では、7年ぶりのとっておきのランチを始めることにしましょうか。
実食レポート:エミリア・ロマーニャを味わう極上ランチ
微発泡赤ワイン「ランブルスコ」で乾杯!

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まずは「ランブルスコ」で乾杯!これ、エミリア=ロマーニャ州特産の微発泡性赤ワインなんです。そういえば、ミラノで最初にミラノ風カツレツを食べたトラットリア・ブルラ・ジオ・ドゥオモで夫が2杯目に頼んだ赤ワインもランブルスコでした。
ランブルスコといえば、日本やアメリカでは甘口のイメージが強いかもしれませんが、現地でお目にかかるランブルスコは料理の味の邪魔をしない辛口が多かったです。カシスのようなベリー系の華やかな香りと、きめ細やかな泡が特徴です。
前菜①プロシュート × トルタ・フリッタ

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ワインに続いて前菜が一気に揃いました。前菜といっても、はっきり言って主役級!
7年間ずっと食べたいと願い続けた生ハムとトルタ・フリッタを前に、私の瞳孔は開き口の中は既に唾液の洪水です。そして揚げたてのトルタ・フリッタの香り…たまりません。
トルタ・フリッタは薄い生地をパフッと揚げたもので、中が空洞になっていて軽~い食感です。この7年間、家では「あのパフパフ」と呼んで食べたい思いを募らせていた念願の食べ物。これを生ハムで巻いたり、生ハムを上にのせたりして食べるのですが、薄~くスライスされた生ハムとの相性は抜群で、もうね、いくらでも食べられます😆
ネットでは生ハムで巻いて食べる食べ方が一般的みたいですが、7年前に来た時にはおじさんたちがトルタ・フリッタを2つに割って、中の空洞に生ハムを入れて食べていたのが印象的でした。一方、今日は生ハムをトルタ・フリッタの上にのせてナイフとフォークで食べている人が多いようです。ならば私も郷に入っては郷に従えで、ナイフとフォークで食べることにしました。

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ナイフとフォークで食べるにはちょっとしたコツがあります。
最初に言っておくと、トルタ・フリッタに生ハムをのせた後にナイフとフォークでカットするのはだいぶマズイやり方です。こうすると薄~くスライスされた生ハムがぐちゃっとくっついて固まってしまうので、折角のふんわり感を損なってしまいます。
無知な私はこの失敗を数回繰り返してしまったのですが、これでは7年越しのごちそうがもったいない!とハタと気づき、次のような最適解にたどり着きました。
まずトルタ・フリッタだけを食べやすい大きさにカットします。次に、生ハムを1枚ふんわりとのせて、生ハムを固めないように注意深くフォークで刺して一口で食べます。
このようにして食べると、極薄の生ハムが口の中でなめらかにとろけ、まろやかな塩味と脂の甘味が舌の上に広がっていきます。この生ハムと軽~い食感のトルタ・フリッタの組合せ、たまりません。
今回食べていて気付いたことがあります。
それは、この薄~い生ハムに合わせるのは、フォカッチャでもグリッシーニでもなく、薄く軽い生地のトルタ・フリッタしかありえないということです。厚みのあるパンや歯ごたえのありすぎるグリッシーニでは極薄生ハムの良さを100%発揮できないでしょう。
…なんて書いていると、また生ハム+トルタ・フリッタを食べたくなって「パルマに行きたい!」気持ちが募ってくるのですけどねw
前菜②パルミジャーノ・レッジャーノ食べ比べ(12・30・70か月熟成)

(左)12(中央)30(右)70か月熟成
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パルマといえばチーズの王様パルミジャーノ・レッジャーノ!
メニューに熟成12か月、30か月、70か月のパルミジャーノ・レッジャーノを食べ比べできるセットがあったので頼んでみました。
そもそも、70か月ものってアメリカのうちの近所では見たことないんですけど!?
3種類のチーズには蜂蜜と洋梨(もしくは無花果)のジャムが添えられていました。このジャムがなんとニンニク風味!最初はギョッとしましたけど、チーズととてもよく合っていてクセになる美味しさでした。
普段は「24ヶ月以上のパルミジャーノ・レッジャーノしか食べたくない」とか生意気なことをホザく私ですがw、この日食べた12ヶ月ものはなめらかな食感でありながらすでに旨みにあふれています。
30か月熟成になると食感が一気に変わり、ほくほくとした上等の栗のような心地よいもろさが出てきます。ナッツのような香ばしさとコクのバランスが完璧です。
そして未知の領域、70か月熟成。大きく育ったアミノ酸の結晶の含有率がすごい…!まるでアミノ酸の化石です。ジャリッ、ジャリッと結晶を噛むたびに口の中で旨みが爆発、大変です!!!
もうね、ご当地ならではのたまらんチーズフライト、最高でした。たった9ユーロでこんな体験ができるなんて、有意義すぎるお金の使い方ではないでしょうか?もちろん、ランブルスコとの相性も抜群でしたよ。
プリモ・ピアット:鹿肉のラグーと自家製タリアテッレ

Credit: Yuki Kamiya
プリモ・ピアットは鹿肉のラグーのタリアテッレです。
鹿肉のラグーは肉の粒が大き目で、ローズマリーなどのハーブやセロリの風味がはっきりしています。私はラグーと聞くとついトマト色のミートソースを思い浮かべてしまいますが、この鹿肉のラグーは肉肉しさが前面に押し出された、肉の味をしっかりと楽しむタイプです。
そういえば7年前に食べたパスタは兎のラグーでしたけど、イタリアではジビエのラグーもよく作られているようですね。
麺は自家製タリアテッレ。
手打ちの平打ち麺ってとても美味しそうに見えるものですが、エミリア・ロマーニャ地方の手打ちパスタは濃い卵色なので、より一層そそります。幅広のタリアテッレを噛むたびに小麦の風味とじっくり煮込まれた肉のコクが一体になって、まさに五感に染み渡る味わいです。
セコンド・ピアット:牛肉のブラザートとストーロ産ポレンタ

「あ!柔らか~い」
セコンド・ピアットは、思わず声を上げてしまうほど柔らかく煮込まれた牛肉のブラザート。
ブラザートは、牛肉を香味野菜と赤ワインでじっくり煮込んだイタリアの伝統料理です。この日のブラザートには、パルマ丘陵産の赤ワイン、バルベーラワインが使われていました。
牛肉はとても柔らかく煮込まれていて、ナイフなんて必要ないくらい。スジの部分がトロトロでたまりません。お肉にはしっかり味がついていて、赤ワインと香味野菜の旨味がじんわりと染み込んでいます。
牛肉の隣に盛り付けられた黄色い付け合わせは、ストーロ産ポレンタです。
ポレンタは粗挽きのトウモロコシの粉を練りながら煮上げた粥状のイタリア料理です。このポレンタには、ポレンタの名産地として名高いストーロ村のトウモロコシの粉が使われています。
ぼてっと柔らかいポレンタをスプーンですくって口の中に入れると、トウモロコシの甘味と香ばしさがふわっと広がります。このポレンタ、トウモロコシの風味が後からジワジワ来るのには驚きました。
ポレンタの味付けは控えめだったので、濃い味の牛肉と一緒に食べるとちょうどよく、最高の組合せでした。
現地コラム:イタリアでは車で来てもワインOKってホント?

Credit: Yuki Kamiya
イ・トリ・ショケッツの店内を見渡すと、明らかに車でやってきた現地のお客さんが、当たり前のようにワインを楽しんでいる光景を目にするかもしれません。
一滴でもお酒を飲んだら一発アウト(厳罰)となる日本から行くと、一瞬「えっ、大丈夫なの!?」と驚いてしまいますよね。
実はイタリア(および多くの欧州諸国)では、飲酒運転の基準が完全なゼロではなく、血中アルコール濃度が「0.5g/L未満」であれば法的に運転が認められているのです。
私が暮らしているアメリカでも、多くの州で「法定血中アルコール濃度0.08%未満」であれば合法とされており、レストランに車で乗り付けて、ディナーと一緒にビールやワインを嗜むのは日常の風景です。そのため、私にとってはイタリアのこの光景もすんなり馴染めるものでした。
💡日本人旅行者が安全に楽しむには?
そうは言っても、ここは慣れない海外の道。日本とは通行方向もハンドルの位置も逆ですし、道幅が狭かったり、ラウンドアバウト(環状交差点)が多かったりするイタリアでの運転は、日本以上に集中力を使います。いくら合法とはいえ、お酒を飲んで運転することに抵抗がある日本人は少なくないでしょう。
2人以上の旅であれば、帰りに運転する人が飲まなければ事は丸く収まりますが、全員がお酒を楽しみたいときもあれば、一人旅の場合もありますよね。
そんなときは、食後、車内で長めに休憩したり(夫と私はよく車内で昼寝します)、歩いても安全な場所なら散策を楽しむなどして、アルコールが抜けた状態になってから出発できるよう、余裕をもってスケジュールを組むのがおすすめです。
とはいえ、もしも不安であれば、多少お金がかかっても配車アプリやタクシーを利用すると安心ですね。パルマでは inTaxi や appTaxi などの配車アプリがよく利用されているようです。
文化の違いをリスペクトしつつ、安全第一の計画を立てて、大人のヨーロッパ車旅を楽しんでみてくださいね。
【お会計】今回の支払額まとめ
コぺルト2人分
(カバーチャージ)
€5.00(約900円)
生ハムとトルタ・フリッタ
€12.00(約2,200円)
タリアテッレ
€12.00(約2,200円)
牛肉の煮込み
€15.00(約2,700円)
チーズ3種
€9.00(約1,600円)
炭酸水
€2.00(約400円)
ワイン
€6.00(約1,100円)
合計(税込み)
€61.00(約11,200円)
物価の高い米国に住む夫と私にとっては、このクオリティの料理をこの値段で食べられるなんて大満足でした。
円安ですので円に換算すると高めに感じてしまいますが、前泊地のミラノではオッソブーコが€35前後(約6400円)、カツレツが€25前後(約4600円)でしたので、都会のミラノと比べるとパルマのこの店のお値段はとてもおトクに感じました。
イ・トリ・ショケッツ(I Tri Siochètt)店舗情報
店名:I Tri Siochètt (イ・トリ・ショケッツ)
住所:Strada Comunale Farnese, 74/A, 43125 Parma PR, Italy
Webサイト:http://www.itrisiochett.it/
私たちは開店とほぼ同時に入店したので席がありましたが、地元の人気店なので週末はもちろん、平日のランチでも予約して出かけることをおすすめします。
特に12月のイタリアのレストランは、昼間もオフィスのクリスマスランチなどで混んでいることが多いので予約をおすすめします。
・基本の予約手段: 電話のみ
(イタリア語または英語)
・電話番号: +39 0521 968870
(現地からの通話は最初の39は不要)
・定休日: 月曜日
この店では現在のところオンラインの予約システムは導入されておらず、予約はすべて電話でと一貫して案内されています。
💡 海外からの予約が不安な場合はどうしたらいい?
オンライン予約ができないので、国際電話や英語での会話にハードルを感じる方も多いかもしれません。そんな時は以下の方法がおすすめです。
①メールを試してみる:Webサイトに問合せ用のメールアドレスが記載されているので、「〇月〇日何時頃何名で行きたいがメールでの予約は可能か?」と問い合わせのメールを送ってみるといいかもしれません。
メールアドレス:itrisiochett@gメール.com (gメールを英語にしてください)
②ホテルのコンシェルジュに頼む:ホテルのフロントやコンシェルジュに「パルマのこのお店を予約してほしい」と頼んでみましょう。
③クレジットカードの会員デスクを利用する:クレジットカードに海外レストラン予約代行サービスが付帯していれば、そのサービスを利用して日本語だけで席を押さえられますね。
※お出かけの際は最新の情報をお確かめください。
現地の空気感は動画で!
7年前の美味しさが忘れられず、「もう一度行きたい」とずっと願ってきた店。ついにその夢が叶いましたが、記憶を遥かに超える、本当に素晴らしい美味しさでした。
パルマの食文化の奥深さ、そしてイ・トリ・ショケッツの全く変わらない美味しさと時間が止まったかのようなお店の雰囲気、最高でした!
このランチの実際の様子は上記YouTube動画でご覧いただけます。ぜひ参考にしてくださいね!