ラファエロ「システィーナの聖母」アルテ・マイスター絵画館

アルテ・マイスター絵画館

アルテ・マイスター絵画館は、オペラハウス・ゼンパーオーパーを手掛けた建築家ゴットフリート・ゼンパー氏の設計をもとに建てられた荘厳な美しい建物です。

入口も美しい。

もし下の写真の看板がなければ、本当にここがアルテ・マイスター絵画館の入口なのかとまどうくらい、扉はひっそりと閉じられていました。

Dresden Alte Meister — アルテ・マイスター絵画館入り口
Credit: Yuki Kai

アルテ・マイスター絵画館は、たとえばルーブル美術館のような大きな美術館ではありませんが、世界的に有名な絵画が所蔵されています。

アルテ・マイスター絵画館のコレクションの中で、わたしが絶対に見ようと決めていた絵は3つありました。

ラファエロ　「システィーナの聖母」

フェルメール　「窓辺で手紙を読む女」(写真上の看板に使われている絵）

ジョルジョーネ　「眠れるヴィーナス」

特にラファエロの「システィーナの聖母」は、実物を近くでじっくり見てみたいと思っていました。

ラファエロ「システィーナの聖母」

このラファエロの「システィーナの聖母」は、全体像よりもマリア様の足元で見上げる可愛い天使たちのほうを見かけることが多いかもしれませんね。

そして、視線を上にずらしていくと…。

緑のカーテンの陰に浮かび上がる無数の顔。

あなたにも見えますか？

天使の顔、まだ生まれぬ赤ん坊たちの顔、など色々な説があるんですけど、

それぞれの顔には表情がなく、不気味でなんだかぞぞぞ～っとしてきませんか？

実物はホラー度さらにアップ！です。

「システィーナの聖母」は、もともとイタリアのサン・シスト修道院の祭壇画の一部として描かれたものです。

上部左右の緑のカーテンは、当時の墓碑を真似たもので、

教皇ユリウス2世の墓碑に掲げる為に制作されたとの説があったり、ラファエロが描いたのは聖母子像だけで、後に誰かが聖シクストゥスと聖バルバラを描き加えたという説もあったり…。

バックグラウンドの不気味な顔だけでなく、いろいろと謎の多い作品なんです。

とはいえ、ただ美しいだけでなく、謎が多ければ多いほど、わたしたちはいっそう惹かれてしまうものかもしれないですね。

ツヴィンガー宮殿内の博物館

ツヴィンガー宮殿にはアルテ・マイスター絵画館のほかに、

伊万里・有田、マイセン、中国の陶磁器を集めた陶磁器博物館 Royal Porcelain Collection や、

数学博物館 Royal Cabinet of Mathematical and Physical Instruments などがあります。

わたしは12時過ぎにドレスデンに着き、

緑の丸天井 →　アルテ・マイスター絵画館　→　数学博物館　→　陶磁器博物館

と見てまわりましたが、さすがにこれだけ見て歩くと時間切れで、陶磁器博物館は閉館時間間際を駆け抜けるかんじでした。

あなたがそれぞれの博物館をじっくり見たいなら、ゆっくり１日かけるか、他の予定と組み合わせて日を分けるのがおすすめです。

閉館直前の陶磁器博物館を出て、ツヴィンガー宮殿の中庭を通り、待ち合わせのゼンパーオーパー前の広場へ。

夕陽に照らされるザクセン王ヨハン騎馬像の階段に座ってみます。

観光用？の馬車が蹄を石畳に響かせながら通過したかと思うと、

電動キックボードに乗った観光客たちが、陽気に手を振りながら通り過ぎていきました。