この記事は、2018年6月にローマ法王謁見に参加した体験記です。

この日心に残った法王さまのメッセージを記事の一番最後にシェアさせてもらっています。

バチカンに行く予定がない方も、このメッセージだけでも目を通して頂けると嬉しいです。

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ローマ法王謁見は水曜日

バールでの朝ごはんの後、絶対に行きたいと思っていたサン・ピエトロ大聖堂へ。

大聖堂のドーム、クーポラからの景色を自分の目で見てみたいとずっと思っていたのです。

早朝なら空いているという情報をもとに、サン・ピエトロ広場 Piazza San Pietroに到着すると…、

まだ7時台なのに、もうすでに入口は長蛇の列!!!

(注:この列は翌日のお昼に目撃したクーポラにのぼるための列に比べると全然短いです。)

バチカンのサン・ピエトロ広場で入場を待つ人の長蛇の列
Credit: Yuki Kai

まわりはフィリピン、ブラジル、スペイン、フランスなど世界各国から訪れたツアーグループです。

列に並んでいると、アフリカ系の物売りが傘やスカーフその他のおみやげを売り込みに来ます。

並び立つ乳白色の柱の下で、空港の保安検査風のセキュリティーチェックを通り抜けると、サンピエトロ大聖堂と広場が目の前に現れました。

さて、広場に入ったものの、クーポラにはどこから上れるのかさっぱりわかりません。

広すぎて探して歩くのは大変なので、近くの柵の入口にいる警察官に聞いてみました。

すると、今日は10時からローマ法王さまのスピーチがあるので、大聖堂には1時まで入れないと言うではありませんか!!!。

水曜日にローマ法王さまの謁見があることはうっすら知っていましたが、時差のせいでまだ火曜日だと思っていたワタクシ…。

でも、ということは…

本物の法王さまにお目にかかれるということ!?

素晴らしい?

幸い同行者男子2名も待ってもいいと言ってくれたので、そのまま柵の中の椅子の席へ。

「信者でもないのにこんなに前に座っていいのかな?」「いいんじゃない」みたいなやりとりをしつつ、前から7、8列目の席を確保。

実は後から知ったのですが、椅子の席のある柵の中は、本当はチケットを持っている人しか入れないのだそう。

でも、入口でチケットを確認したり人数をカウントするわけでもなく、誰にも止められなかったわたしたち…。

早朝(7時半ごろ)だったからノーチェックだったのでしょうか。

そういえば、列に並んでいるときにまわりの団体さんたちが何か黄色い紙を持っていたのですが、あれがチケットだったのですね。

このように、わたしたちはチケットがなくても大丈夫でしたが、あなたが確実にローマ法王謁見に参加したいなら、最新情報を確認してチケットを手に入れたほうが無難だと思います。

2019年の一般謁見スケジュール

サン・ピエトロ大聖堂
Credit: Yuki Kai

ローマ法王謁見とアンジェラスのスケジュールは Prefecture of the Papal Household のウエブページで見ることができます。

ローマ法王謁見の日は午後1時まで大聖堂には入れませんし、謁見とアンジェラスの日は大変混雑します。

もしあなたが謁見に興味がなかったり、できる限り混雑を避けたいときには、謁見とアンジェラスのスケジュールを確認してその時間帯を避けるといいでしょう。

お出かけの際には最新の情報をご確認くださいね。

一般謁見

一般謁見 General Audiences は基本的に水曜日ですが、毎週あるとは限りません。

たとえば、2018年、2019年とも7月は水曜日の一般謁見はすべてキャンセル。

また、2018年、2019年とも8月の一般謁見はチケット不要となっていました。

ただし、わたしが行った6月上旬の暑さを考えると、8月はかなりの暑さになることが予想されますので、あなたが旅行の計画を立てるときに考慮に入れるポイントかと思います。

The Wednesday General Audience starts at 9:30 am; however, the Holy Father begins his tour among the various sections at 9:00 am. Therefore, it is recommended to be at the place of the event by 8:45 am, taking into account the time necessary to pass the security controls (metal detectors), as well as the inevitable waiting lines.

http://www.vatican.va/various/prefettura/en/biglietti_en.html

訳:水曜日の一般謁見は9:30に始まりますが、法王さまは9:00から観客席へ立ち寄られますので、8:45までには席に着かれることをお薦めします。セキュリティーチェック(金属探知機)を通過する所要時間と列で待つ時間も考慮にお入れください。

アンジェラス

また、一般謁見のほかに、ローマ法王さまが窓からおはなしとお祈りをされるアンジェラス Angelus もあります。

アンジェラスは通常日曜日の12時ですが、別の曜日に行われることも。

なお、 2018年、2019年ともアンジェラスはチケット不要です。

ローマ法王謁見予約方法

Prefettura Della Casa Pontificia のウエブページによると、ローマ法王謁見のチケットは無料で、事前に Fax か郵便で予約できます。

必要事項:

  • 参加したい一般謁見 General audience の日(日日/月月/年年)
  • チケットの必要枚数
  • 氏名/団体名
  • 住所
  • 電話及び Fax 番号

送付先:  Prefecture of the Papal Household
00120 Vatican City State

Fax: +39 06 6988 5863

GENERAL AUDIENCE:
tickets can be collected at the Bronze Door (under the right-hand colonnade in St Peter’s Square)
between 15:00 and 19:00 on the preceding afternoon, or on the morning of the audience from 7:00
.


http://www.vatican.va/various/prefettura/en/biglietti_en.html

訳:予約した一般謁見のチケットは、大聖堂に向かって右にある列柱の下のブロンズの大扉で、 謁見前日の15:00~19:00、謁見当日の7:00から受け取り可能です。

なお、予約は団体のみ必要という情報や、受け取り場所は大聖堂に向かって左側にある教皇謁見ホール(Aula Paolo VI)という情報など、ネットで検索すると色々ヒットするのですが、わたしは実際にチケットをもらっていないので未確認です。

警備員など職員の方がいると思いますので、場所がわかりにくいときは Where can I get tickets for the general audience (またはPope’s speech)? と聞いてみてください。

ローマ法王謁見は早朝に出かけて良い席を確保

法王謁見の日のサン・ピエトロ広場
Credit: Yuki Kai

ローマ法王さまをできるだけ近くで見たい方は、早朝に行って、前方の中央よりの柵に近い席を確保するのがおすすめです。

わたしたちが入場したのは7時半頃で、まだ前方に空席があり、広場も静かなかんじでした。

ですが、椅子席はあっという間に埋まっていきます。

上の写真は8時過ぎの広場ですが、前方の椅子席はすでに満席。

警備の人数も増え、前方と後方の席の間には写真に写っている仕切りが設置され、まわり道しないと行き来ができなくなっています。

ローマ法王さまを至近距離で見たいなら席はココ!

座る場所については、この日の謁見のビデオの最初の2分くらいを見ていただけると、どのあたりの席にすわるとよいかイメージがつかめると思います。

ビデオの静止画像で、法王さまが車を降りて祝福を与えられていた場所に色をつけてみましたので、座席選びの参考にしてください。

なお、セキュリティー上の理由などで、法王さまが車を降りて祝福を与えられるエリアは随時変更になっている可能性もありますので、どうぞご了承ください。

古い椅子に注意

ところで、法王さまが車に乗って通路を通られるときには、観客のほとんどは椅子の上に立って法王さまの姿を見ようとします。

そうなると視界が悪くなるので、あなたもやむなく立つことになるかもしれません。

広場の椅子は常に外に置いてある様子で、古くてかなり痛みが激しいものもありますので、ひび割れたりしていない状態の良い椅子を確保してくださいね。

サン・ピエトロ広場では日焼け対策を

法王謁見の日のサン・ピエトロ広場と熱狂する観客
Credit: Yuki Kai

朝早く行くと当然法王さまがお話しになるまでの待ち時間が長くなりますし、謁見は1時間以上続きます。

サン・ピエトロ広場には屋根がありませんので、日焼け対策をおすすめします。

特に男性の方。

なぜかというと、東向きに建てられたサン・ピエトロ大聖堂に向かって座っていると、後方から直射日光を浴びることになります。

なので、待ち時間の間はうなじが紫外線に一番無防備になるのです。

晴れの日は注意してくださいね。

スカーフで日焼け対策をしているひとも見かけました。

座って傘をさしている人もいましたが、後ろのひとたちは視界が悪くなるので迷惑そうでした。

でも、かなり暑かったので、この朝の入場待ちのとき、物売りが晴れているのに傘を売っていたのはこのためだったのか!と腑に落ちました。

また、ペットボトルの冷たい飲み物と食べ物持参の家族グループが近くにいましたが、待ち時間に朝ごはんをいただくのもアリかもしれませんね。

ちなみに、6月6日、謁見が終わるころには夏の暑さでした。

ローマ法王謁見ドレスコード

ローマ法王謁見時だけでなく、サン・ピエトロ大聖堂とシスティーナ礼拝堂を含むバチカン美術館に入るにはドレスコードがあり、肩と膝が見えていると入れません。

結構厳しいので大目に見てくれることはないと思ったほうがいいです。

足元はサンダルでも問題ありません。

もしもドレスコードにひっかかる服で来てしまったときは、まわりのお土産屋さんや物売りが売っている大き目のスカーフを羽織るという作戦があります。

なお肩と膝が隠れる服装は、バチカンだけでなくイタリア中の神聖な場所で求められますのでご注意を。

ローマ法王謁見時に目撃したお行儀の悪い観客たち

行儀の悪い大人たちって、国籍にかかわらずいるものですね~。

この日特に目立っていた大人たちをご紹介します。

スピーチ中に360度自撮りビデオ

自撮り行為自体にはまったく罪はないのですが、法王さまのスピーチ中に法王さまに背をむけてずっと撮影に勤しむカップルは特に目立っていました。

法王謁見中賛美歌を歌う観客と自撮りするカップル
Credit: Yuki Kai
法王謁見で賛美歌を歌う観客と自撮りするカップル
Credit: Yuki Kai

上の写真は、法王さまのおはなしが終わり、全員で賛美歌を歌っている場面です。

これが、どうしても法王さまとの自撮り写真がとりたくて謁見が終わる間際にすかさず、というならまぁわかるのですが。

まず、最前列に座っていた幼稚園児グループが、法王さまのイタリア語の最初のスピーチが終わると同時に退場したときからドラマが始まります…。

空いた前列の席をハイエナのごとく奪い取る観客たちの中に写真の彼女がいました。

そして、移動した瞬間から自撮りスタート。

いろんな角度で。

いろんなポーズで。

いろんな表情で。

もちろん自撮り動画も。

法王さまのスピーチと各国語での翻訳が続く間ずっと…。

そして2、3列後ろにいた彼氏?夫?を呼びました。

彼は最初は乗り気ではないように見えたので、よかった、男性のほうはまともだわ…と一瞬思ったのですが … 。

彼、自分の椅子を高々と持ち上げ、彼女の席の隣の通路に移動させてきました。

すると、その手があったのか!と触発された他の観客も、土砂くずれさながらに椅子ごと前へ…。

無法地帯です。

法王さまはお話しされてるのに~。

彼はおもむろに立ち上がると、ドヤ顔で360度ぐるっとゆっくり回転しながら、自撮りビデオを撮り始めるではありませんか!!!

右回りにゆっくり回転しながら自撮りビデオ撮影
Credit: YTPHD

「え~ちょっとぉ、自分だけズルい」と彼女が言ったかはわかりませんが、彼女も共演のビデオも続けて撮影。

法王さまは引き続きお話し中です。

やっぱり右回り
Photo Credit: YTPHD

撮れたものを確認してはビデオと写真撮影を続ける彼らに気をとられていると、わたしの目の前でも呆れた光景が…。

お祈りポーズで自分プロデュース

法王謁見中お祈りポーズで写真を撮ってもらう女性
Credit: Yuki Kai

膝をついている女性はわたしの前に座っていたのですが、法王さまのお話の最中に、前に座る若い女性(まったくの他人)に声をかけて、あれこれ撮影指示を出し始めました。

そして、両手を合わせてお祈りポーズ。

顔の角度も少しずつ変え、遠くを見つめたり、伏目がちにうつむいたり。

写真のバリエーションに余念がありません。

バチカンで法王さまに祈りを捧げる信心深い満たされた自分。

インスタ映えする写真が撮れますように、とお祈りしていたのでしょうか?

たしかにセルフィ―スティックではお祈りポーズの自分は撮れませんものね。

ローマ法王謁見の原稿とビデオ

まわりのドラマに気をとられて法王さまのおはなしが頭に入らなかったわ!!! というあなた。

大丈夫です。

Audiences のウエブページのリンクからスピーチの原稿を読むことができます。

日付をクリックすると原稿のページに飛びますので、そこから multimedia のリンクをクリックするとプロが撮ったその日の写真やビデオも見られますよ。

2018年6月6日のスピーチ、写真とビデオ

実はわたしたちもちょこっとだけビデオに写っていて、これは嬉しい?

ビデオでは、席からは見えなかった子どもたちに祝福を与える法王さまの様子を見ることができて、自分も祝福された気分です。

あ、前述のカップルも53分10秒あたり(ちょうどわたしが写真を撮ったタイミング)でご覧いただけます。

下の写真(出典 : w2.vatican.va) では、黒いスーツに身を包んだボディガードが法王さまを護衛する様子がまるで映画のようですね。

そして法王様がお乗りの車(パパモビル)は、 真っ白のメルセデスベンツ G-ワゴンのオープンカー。

ナンバープレートの SCV はバチカン市国という意味のラテン語、Status Civitatis Vaticanae の略です。

ベンツに乗って信者に手を振るフランシス法王と警備するボディーガード
w2.vatican.va

受け取ることは与えること

この日、サン・ピエトロ広場一帯に放射状に広がる法王さまのあふれんばかりの慈愛オーラに感銘して、わたしはすっかり法王さまファンになってしまいました。

具体的には、法王さまから絶えることなく発せられる愛に満ちた光の波(これが波動というものなのでしょうね)が広場に拡がり、謁見に集まった人たちが発する感動の波動と合わさって、広場からバチカンの街と空に向かってもの凄い勢いで拡散していくかんじだったのです。

この日の法王さまのスピーチの中で好きな部分は「受け取ることは与えること」。

これはずばり、わたしが日頃こうありたいと願っていることで、このブログを書いている大きな理由のひとつでもあります。

最後に、2018年6月6日の法王さまのおことばをここに書き記して皆さまにシェアすると同時に、常に自分の心に留めて実践していきたいと思います。

Receiving is always for giving: never receive and keep things within, as if the soul were a storehouse. No: receiving is always for giving. God’s grace is received to be given to others.

Pope Francis

“Sempre ricevere per dare: mai ricevere e tenere le cose dentro, come se l’anima fosse un magazzino. No: sempre ricevere per dare. Le grazie di Dio si ricevono per darle agli altri.”

Pope Francis

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