コルネットとコーヒー
コルネットとコーヒー
Credit: Yuki Kai

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バールでいただくイタリアの定番朝ごはん

イタリア人の朝ごはんは甘いものとコーヒー、と日本にいたころ何度となく聞いていました。

わたしはてっきり甘いものとはビスコッティのことだろう、と思っていたのですが、

実は必ずしもそうではありませんでした。

朝ごはんで街の人たちが食べているのをよく見かけたのは、冒頭の写真のようなパンです。

Cornetto e caffè - コルネットとカプチーノかエスプレッソ。

ローマの人たちがコルネットと呼ぶこのパン、クロワッサンに見えますよね!

ローマのバール
ローマのバール
Credit: Yuki Kai

バールのカウンターで、コルネットや甘いパンを食べつつコーヒーを立ち飲みするのがローマの朝ごはんでよく見かけた光景です。

もちろんテーブル席でじっくり味わうのもアリですよ。

実際わたしたちがローマで毎朝通ったバールでは、テーブルでゆっくり朝ごはんを食べる下町住民のみなさんもいました。

テーブル席で食べるときは、コペルトと呼ばれる席料をチャージされることが多いので、カウンターより割高になることがあるのを覚えておくといいですね。

ローマのバール
ローマのバール
Credit: Yuki Kai

バールで驚いたのは、支払いが自己申告制だったことです。

上の店内の写真左側で食べるものを選び、右側のタバコなどを売っているレジカウンターで、何を何個頼んだのか申告。

このときに、これからカウンターで注文する飲み物も申告してお金を払うのです。

自己申告制は他のお店でも遭遇しましたので、一般的みたいです。

イタリアって、もしかしたら性善説の文化なのかもしれませんね。

ローマのバール
Credit: Yuki Kai

カウンターの奥にエスプレッソマシーンがあって、朝のバリスタさんは大忙し。

エスプレッソは強すぎて…という方は、かわりにアメリカ―ノを注文するといいですよ。

アメリカ―ノはエスプレッソをお湯で薄めたものです。

このバールでいただいたのはマシーンにおまかせのアメリカ―ノ。

ちょっと上品なカフェでは、エスプレッソとお湯が別々に運ばれてきて、お湯を自分が好きな分量だけ注いで理想の濃さにできます。

お湯で薄めてあるといっても、味の薄いコーヒーではありませんのでご安心を。

下の写真がアメリカ―ノです。

カフェアメリカーノ
アメリカ―ノ
Credit: Yuki Kai

アメリカーノの謎は、どのお店でもエスプレッソよりお値段が高いこと。

お湯で薄める手間賃?

なぜなんでしょうね^^

イタリアでコーヒーを飲む流儀?

ローマのコーヒー
カプチーノ(上)とエスプレッソ
Credit: Yuki Kai

カプチーノやカフェラテなどの牛乳入りのコーヒーは、イタリア人にとっては朝の飲み物。

お昼以降(10時または11時以降というひとも)には注文しないもの…なんてはなしも聞いたことがあります。

理由は食事でおなかいっぱいになった後に牛乳を飲むのは消化に悪いから、だとか。

とはいえ、もしあなたがどうしてもイタリアでカプチーノが飲みたくて、そのチャンスが午後だけなら、迷うことなくカプチーノを注文しましょう!

Life is shortです^^

ほかには、エスプレッソというのは実はイタリアでは業界用語なのだそうですよ。

わたしはエスプレッソください、と注文して別に何も問題ありませんでしたが、カフェ caffè をくださいと注文するのが一般的なようです。

参考記事:

How to Drink Coffee like a True Italian

Ordering Coffee in Italy: the 10 Commandments

コルネット

コルネット
コルネット
Credit: Yuki Kai

コルネットCornetto は小さな角を意味します。

いわれてみれば、コルネットの両端が角に見えないこともないですよね。

コルネットの種類はこんなかんじです。

  • クリーム cornetto con crema
  • ジャム  cornetto con marmellata
  • ヌッテラ cornetto con nutella
  • プレーン cornetto semplice

わたしが食べたコルネットは、何も入っていなくても、表面にマーマレードか蜂蜜がついていて、ほんのり甘目でした。

コルネットとクロワッサンの違い

コルネットは生地自体がクロワッサンに比べて甘目です。

外側はクロワッサンのようにカリっとしていますが、クロワッサンほど層が多重になっているわけではなく、もっとしっとりして柔らかい。

これはクロワッサンがパイ生地のようにバターを丁寧に何層にも織り込んで作られるのに対して、コルネットはそこまで細かく層を作らないからです。

クロワッサンに使われる油脂は100%バターが基本ですが、コルネットにはバターのほかラードを使うことがあります。

ブリオッシュ

一方、ローマより北の地方では、コルネットのことをブリオッシュと呼ぶのだそうです。

地方によってはクロワッサン。

クロワッサンは形がほぼ同じなのでわかりやすいですが、ブリオッシュと聞くと下の写真のような丸いころんとしたブリオッシュを思い浮かべる方のほうが多いのでは?

ブリオッシュ
ブリオッシュ

まぎらわしいので、あなたがローマより北に行く予定のときは覚えておくといいですね♪

コルネットは両端がとがっていて、ブリオッシュは丸い、という外観上の違いがあるようですが、味はコルネットと大差なさそうです。

ちなみに後日訪れたローマより北のヴェローナでは、クロワッサンと表記されていました。

「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」

マリーアントワネットが言ったとされる有名なセリフです。

英語では “Let them eat cake”。

これ、フランス語原文は “Qu’ils mangent de la brioche“。

ケーキでもお菓子でもなく、ブリオッシュなんです。

ジャン=ジャック・ルソーの「告白」に出てくるこのセリフ、農民がパンに事欠いていることを知った「あるたいへんに身分の高い女性」(une grande princesse) が言ったとされています。

でも…。

どうしてブリオッシュのところをお菓子やケーキと訳してしまったのでしょうね。

実際ブリオッシュの単価はパンよりも安かったのだそうで、高いパンが食べられないのなら安いパンで代用するように、という意味合いでの発言とする解釈もあります。

お菓子やケーキと訳してしまったから、マリーアントワネットが庶民の生活を考慮しないカンジ悪いダメ女、みたいなイメージになってしまったわけですよね?

これがブリオッシュなら、ダメージも少なかったのでは?

当時ブリオッシュはバターや卵が入るのでお菓子の扱いだったともいわれていますけど…。

とはいえ、このセリフをマリーアントワネットが言ったという記録はなく、現在では彼女の発言とするのは疑わしいという見解が通説です。

コルネット以外も美味しそうなバールの焼き菓子

イタリアの焼き菓子
ローマのバールに並ぶ焼き菓子
Credit: Yuki Kai

バールには焼きたてのコルネットや揚げたてのボンバ(大きな丸いドーナツ)など、美味しそうなものがたくさん並んでいて、それは魅力的でした!

小さなタルトなど試してみましたが、甘すぎずよかったです。

写真のカノ―リ(筒状のクラストにリコッタチーズのクリームの詰め物)も美味しそうですよね!

おわりに

いかがでしたか?

イタリアに行ったら、ホテルの朝食もいいけど、ぜひ地元の人たちに混じってのバールでの朝ごはんも体験してみてはいかがでしょうか♪

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