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マルチ商法ってご存知ですか?

マルチ商法は、マルチレベルマーケティング、ネットワークマーケティングなどと呼ばれるビジネスモデルで、英語では Multi-level marketing、略して MLM と呼ばれています。

この記事ではアメリカのマルチ商法のしくみや勧誘の特徴、報告書の読み方など、マルチ商法を正しく理解していただけるようまとめてみました。

はじめに

アメリカに住んでいると、マルチ商法の商品を売るパーティーに誘われることはとても多く、またマルチ商法の会員に勧誘されるのも珍しくありません。

近年は  SNS による勧誘も活発なので、もしあなたが在米経験がおありなら誘われたことがあるのではないでしょうか?

特に女性の方。

商品に興味があるけど会員にならないと買えないのか…大丈夫かな?とか、パーティーに誘われたけどどうしよう?と決めかねている方もいるのでは?

また、家でできる仕事を探していたら誘われたのでマルチ商法ビジネスをやってみようかな?と検討中だったり、ふと気づいたら家族や友人が会員になっていて、在庫構築しているというけど、ガレージに箱が積みあがっていくばかりで心配している方もいるかもしれませんね。

というわけで、今日はそんなあなたの参考になるよう、アメリカのマルチ商法について調べ、まとめてみました。

なお、この記事は、マルチ商法ビジネスをされている個人やそのビジネス、そして商品の批判は目的ではありませんので、どうぞご理解ください。

アメリカのマルチ商法企業

Source:Multilevel Marketing: Last Week Tonight with John Oliver (HBO)

アメリカはマルチ商法発祥の地だけあって、多くのマルチ商法の会社が存在します。

マルチ商法ビジネスは1920~30年台にはすでに存在しており、

その始まりはカリフォルニア・ビタミン・カンパニー(後のニュートリライト Nutrilite)やカリフォルニア・パフューム・カンパニー(後のエイボン・プロダクツ Avon Products)といわれます。

現在でもよく名前を耳にするのは、

  • アムウエイ Amway
  • エイボン Avon
  • ハーバライフ Herbalife Nutrition
  • メアリー・ケイ Mary Kay
  • タッパーウエア Tupperware
  • ニュースキン Nu Skin
  • ヤングリヴィング Young Living
  • ビーチバディ Beachbody
  • マーケット・アメリカ Market America
  • It Works!
  • センツィ Scentsy
  • ドテラ dōTERRA
  • パンパード・シェフ Pampered Chef
  • ローダン・アンド・フィールズRodan + Fields

などがあり、この他にもたくさんあります。

これらのマルチ商法企業に共通しているのは、商品は店舗では販売されていないので、購入は会員を通してのみ、もしくは自分が会員にならないと買えないというところです。

一般的なマルチ商法のしくみ

マルチ商法には色々な定義があり、システムがピラミッド形になるものはすべてピラミッドスキームとみられがちですが、この記事では連邦取引委員会 Federal Trade Commission の定義を参考にします。

参考:Multi-Level Marketing Businesses and Pyramid Schemes

マルチ商法

マルチ商法に入会して、会員になり(Distributor、Consultant、Advocateなど会社により呼び名が異なります)稼ぐには2つの方法があります。

・会員ではない一般の人に商品を売る

・新規会員を勧誘して、彼らの購入金額と売り上げの何%かをコミッションとして受け取る

そして、あなたが勧誘した会員と彼らが勧誘した会員が「ダウンライン Downline」と呼ばれるあなたのセールス・ネットワークになります。

一方、「ダウンライン」に対して、あなたより上の位置にいる会員は「アップライン Upline」と呼ばれます。

ピラミッドスキーム

マルチ商法がピラミッドスキームの場合は、上記の商品の売り上げと、勧誘した会員の売り上げに対するコミッションのほかに、

新規会員を勧誘したり、その会員の組織が育ってあなたの下から独立したりするとボーナスがもらえます。

そして、あなたの持つ在庫数に関わらず、定期的に一定額以上の商品を購入しないといけない会社が多いです。

また、一定額以上の商品を購入する義務はないとしつつも、毎月一定額以上の商品がクレジットカードかデビットカード決済で自動的に送られてくるプログラム(Automated shipment, Auto ship)に加入しないとコミッションを受け取れない、という決まりがある会社も多いようです。

合法なネズミ講?

ピラミッドスキームは日本語では「ネズミ講」と訳されます。

日本で「ネズミ講」というと、法律で禁止されている「無限連鎖講」のことを指すのが一般的ですよね。

これに対して、アメリカの合法なピラミッドスキーム(legitimate pyramid scheme)は、日本でいうところの「連鎖販売取引」にあたります。

ただし、合法か違法かは連邦取引委員会も捜査しにくいようで、かなりグレーな分野に見えますね。

マルチ商法は儲かるの?

マルチ商法のビジネスを始めてみようかな?と思ってる人もそうでない人も、一体いくらくらい稼げるの?って興味ありませんか?

そんなときは、口コミで聞くよりも数字で見るのが一番です。

MLM Income Disclosure Statements をチェックしてみよう

アメリカのマルチ商法の会社は Income Disclosure Statement という報告書で、会員の収入を公開しているところが多いので、ネット上で数字を見ることができますよ。

マルチ商法ビジネスに入会を検討している人は、会員になる前にぜひチェックしてみてくださいね。

会社のウエブサイトに掲載されているものを確認するのが一番ですが、まとめて色々な会社のものを見たい方はこのリストが便利です。

MLM Income Disclosure Statements

最新の報告書が会社のウエブサイト経由で見つからないときは、その会社に直接問い合わせるなどして入手してみてください。

そのときの会社の対応も入会するかの決断の参考になると思います。

報告書は行間をよく読もう

ケース1:ニュースキン Nu Skin

マルチ商法企業の報告書では、数字の表現を巧妙に曖昧にしていることが多いので注意してください。

たとえば、2018年のニュースキン Nu Skin の報告書を見てみてください。

たぶんごちゃこちゃ小さな文字で書かれたところを飛ばして、表に目が行くと思います。

表の一番上の段では、Nu Skin 会員の11.51%が毎月平均37ドル、年に444ドル稼いでいたように見えると思います。

しかし、よく読むと、11.51%というのはアクティブメンバーのうちの11.51%で、会員全体の11.51%ではないのです。

表の上にある小さな文字の文章の最後に下記の文章があります。

On a monthly basis, an average of 19.38% of U.S. Active Brand Affiliates earned a sales compensation payment. For purposes of this summary, an “Active Brand Affiliate” is a Brand Affiliate who placed an order for products, promotional materials or services during the most recent three-month period. In the United States, the Company had an average of 69,871 Active Brand Affiliates during 2018. Active Brand Affiliates represented an average of 27.30% of total Brand Affiliates.

これによると、毎月平均してアクティブメンバーの19.38%がなんらかの収入を得られた。

アクティブメンバーは全会員の27.3%。

ということは、

毎月平均でなんらかの収入があったのは全会員の5.29%(全会員27.3% の19.38%)。

全会員100%-5.29%=94.71%ですので、

つまり、毎月1ドルの収入もなかった会員が94.71%もいた、ということですよ!

毎月平均37ドルの収入を得られたのは全会員の3.14%(27.3% の 11.5%)で、

毎月平均120ドルの収入を得られたのは、全会員のたった0.42%(27.3% の1.55%)です。



色の落ちないリップなどで人気のブランドかと思っていましたが、売り上げなかなか少ないんですね…。

この数字、入会時に買わないといけないパッケージ料金を差し引く前ですよ…。

ということは、入会してビジネスを始めたものの、仕入れ料金を回収してトントンに持って行ける人すら限りなく少ないということですね。

それともすべて自分用に購入しているのでしょうか…。

ケース2:ローダン・アンド・フィールズ Rodan + Fields

もうひとつ、今アメリカで盛んに在米日本人をリクルートしている感のあるローダン・アンド・フィールズ Rodan + Fields を見てみましょう。

2018年の年収が1,000ドル未満だった会員グループの平均収入は325ドルで、Paid Consultant の61.3%がこのグループです。

そしてここでも、前述のニュースキンの表と同じく表現巧みなんですね。

表の上の文章の最後の部分を見てみると、

The R+F Compensation Plan is based on product sales. You cannot earn income from sponsoring or recruiting team members. Over the course of 2018, R+F had 411,651enrolled Consultants; 222,664 (54%)were Paid Consultants who received payment in at least one month for sales that occurred during 2018; and 188,987 (46%)were Consultants who received the benefit of discounted prices, but did not earn any compensation from R+F.

全会員の54%が Paid Consultant(2018年に収入があった月が1月以上あったコンサルタント)なので、

実際に1年で平均325ドル稼いだのは54%の61.3%、つまり33.1%だったわけです。

そして、全会員の46%が1年間に1ドルも稼げなかったのですよ…。

トップ1%に年間 $29,056 以上支払われたということですが、

うーん、ちょっと少ないですよね…。

もしかして、自分用に商品を購入するのだけが目的の人もコンサルタントとして計上されているのかしら?と一瞬思いましたが、

ローダン・アンド・フィールズでは、商品を買うだけの会員は Preferred Customer という名前で区別されているので、その可能性は少ないですね。

ただこの報告書にひとつ重要なことが書いてあるのですが、

The R+F Compensation Plan is based on product sales. You cannot earn income from sponsoring or recruiting team members.

つまり、ローダン・アンド・フィールズでは商品の売り上げのみが発生し、会員の勧誘でのボーナスなどはないのです。

でも、コミッションは発生するので、親会員が勧誘したりスポンサーになった子会員の売り上げの一部(0.5%から10%)が、コミッション収入として親会員の懐に入ります。

というわけで、勧誘ボーナスのような勧誘に対する支払いはないので、収入はほかの一般的なマルチ商法より伸びしろが少なめかもしれませんが、違法なピラミッドスキームとみなされる可能性は限りなく低いといえますね。

こんな情報もじっくり調べないとなかなかわからないので、繰り返しますが、入会前に自分でリサーチするのが大事ですね。

HUNBOTS

ところで、Hunbots という言葉、聞いたことがありますか?

これ、アメリカのマルチ商法をしている人を指すネット用語です。

Hun は Honey の略で、ハチミツではなくて、親しい人に呼び掛けるときに使うハニーです。

そしてBot は Robot ロボットの略語。

マルチ商法をする人のメッセージは、文章を “Hey girl” か “Hey hun” で始めて名前をタイプする手間を省くのが一般的なのと、

まるでロボットのように会社の雛形メッセージをコピペで大量生産して送りつけることから、Hun と Bots を足して Hunbots という言葉が生まれたという経緯があります。

Hunbots がよく使う言葉には次のようなものがあります。

“Working my business”

“You’re rocking 〇〇(商品名)”

“You can work from home and make TONS of money”

“LIVE YOUR DREAM”

“Believe in yourself”

“Live the life you deserve”

“Change your life”

“Legacy”

“Community”

“Be your own boss”

#BOSSBABE

#BOSSBABEONFIRE

ちなみに日本のマルチ商法で頻出する言葉もあり、

わくわく

ご縁



感謝

出会い

権利収入

不労所得

経済的自由

引き寄せ

(スピリチュアル系とだいぶかぶってますね^^)

この中で「権利収入」はロバート・キヨサキ氏著のベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん Rich Dad, Poor Dad」に出てくる言葉で、意味は「不労所得」Passive incomeと同じです。

「金持ち父さん貧乏父さん」は、ビジネスオーナーになり、ラットレースから抜け出すことをテーマとしているので、日米両国でマルチ商法の勧誘やトレーニングの場で引用されることが多い本です。

いずれ破綻するサステナブルと真逆のビジネス

以前からネット上でも多く指摘されているのですが、勧誘ボーナスなど商品の売り上げ以外の収入がメインのピラミッドスキームのマルチ商法は、地球の人口が爆発的に増え続けない限り破綻することが確実なのです。

システムの初期にビジネスを始めて、自分の下に何層ものたくさんの会員を集めなければ儲けは少いのですが、自分の下に何層の会員を作れるかには限界があるのです。

数字で見てみましょう。

ウィキペディアによると2019年4月の世界人口は77億人。

たとえばあなたが5人勧誘して、その会員たちも5人づつ勧誘し続けたとすると、

LOG(7,700,000,000 , 5) – 1 = 13.1

つまり、あなたの下に13段の層ができたそのすぐ後に、全世界の人が入会済みでもう勧誘する人が残っていない事態がやってきます。

さらに、この人口には子どもや赤ちゃんも含まれているし、勧誘された人は全員断らないことが前提になっていますので、実際は13段に達するよりもっと早くシステムが破綻するんですね。

マルチ商法エグゼクティブ会員を観察してみた

わたしが以前ボランティアをしていた機関の上司(トップレベルに近い管理職の女性でした)が、あるマルチ商法のかなり上のランクの方だったので、彼女を観察していて気付いたことを並べてみます。

・職場であからさまな勧誘をすることはないが、商品名や会社名が入った小物(ウォーターボトル、ペン、商品の紹介カードにホッチキスで留められた飴、ポストイットなど)がさりげなく彼女の机や共用のテーブルなどに置いてあり、誰かから何か聞かれたら丁寧に説明。

・フェイスブックの投稿が秀逸で、ターゲットごとに写真やボキャブラリーを使い分ける。たとえば、低学歴・低所得者層がターゲットなら、彼女が普段使わない品の良くない言葉や、その層が犯しがちなスペルミス(たとえばloseを looseと書くなど)を投稿に盛り込む。そんなときの内容は、シングルマザーの私は昔は給料ギリギリの暮らしをしていたけど、このビジネスを始めてからお金が貯まって、痩せたい人の夢をかなえて社会に貢献しながら、1年後には家族を夢のバケーションに連れて行くことができた、などで、憧れのミッキーに会えて嬉しそうな孫のまわりで自分の家族が微笑む写真と一緒に投稿。

・商品の投稿よりは素敵なライフスタイルをアピールする投稿が多い。

・自分がリクルートした人が辞めずにやる気を継続できるように、ラスベガスやパリなどのリゾートホテルでのカンファレンスに参加したときには頻繁にアップデート。豪華なホテルでのド派手なカンファレンスの様子や、レストランやスパでの素敵な時間、他の幹部クラスの仲間たちとの友情などを投稿でアピール。そして、あなたも努力し続ければ絶対に可能性があるわ!Join us next year in 〇〇(高級リゾート地名)!と結ぶ。

・スペイン語ネイティブなのを100%有効活用。投稿はもちろん、SNS のストーリーやライブも積極的に利用。

・もちろん商品のアピールも欠かさず、この商品を知るまでは午後にはもう疲れてやる気が出なかったけど、朝これを飲むだけで1日中エネルギーが持続するの!とか、Keto ダイエット食品の場合は自分自身のビフォー&アフター写真もどしどし投稿。

…とこんなかんじです。

あなたもやってみない?と勧誘されたり、この商品が凄いのよ!と売りつけられたことは一度もないので、彼女に対して悪い印象はまったくありません。

むしろ頭が良く、努力する人なんだなぁと感心しています。

マルチ商法勧誘の特徴

日米ともに、製品の良さ(「○○で表彰された」「雑誌のベスト〇〇入りした」など)や、そのマルチ商法企業の理念(「○○をサポートして社会に貢献している」など)、そしてその製品を使っている人たちのコミュニティの質が高いことを積極的に伝えます。

素敵なライフスタイルをアピールする SNS 投稿もとても多いですし、ポジティブかつスピリチュアルな投稿が多い方も目立ちます。

最初から商品や入会を押し付けることは稀で、まずは共感してもらい、徐々に浸透させ、その後に自分から製品を買いたいと思わせるスタイルが一般的です。

同時にとてもマメにコミュニケーションをとり、親身になって話を聞きます。ここから相手の悩みや不安を探り、相手の気持ちに寄り添い信頼関係を築きます。

そして、人それぞれの悩みや状況に合わせた最適な方法で徐々に勧誘します。

たとえば、「働きたいけど子どもが小さいからムリ…」などの悩みには、

自分の好きな時間に携帯から SNS で活動するだけで収入が入るから、子どもとの時間を大切にしながら家計に貢献できる、と回答したり、

「夫の転勤でついてきたけど知り合いがいなくて寂しい…」には、

その企業のコミュニティーに素晴らしい人が集まっていてあなたと気が合いそうな人がたくさんいる、とパーティーに誘ったりします。

そのほか、社会的な不安を利用する「不安」マーケティングは頻繁に使われています。

たとえば

「AI の発達でこれからは既存の仕事がどんどん減るという記事を読んでおられる事と思います。それによってわたしたちの収入が減り、ビジネスにも影響が出ることが危惧されていますよね。で、それを見越して今アメリカ、ヨーロッパで女性の活躍がとてもヒートアップしているホームビジネスがあるのです!女性にうってつけのライフスタイルビジネスです。貴女が他の人達の力になりながら豊かになり、世界をより良くしませんか?もし差し支えなければ情報を送らせていただいてもいいですか?」

といったかんじです。(上記は、実際にわたしが受け取ったメッセージを一部修正しています)

大体「不安・不満」マーケティングか、金欲に直接訴える手法が多いのですが、

女性がターゲットの場合は、前者の「不安・不満」マーケティングによる勧誘が多いのが特徴です。

女性は気持ちに寄り添ってもらうと安心し心を開く特性があるので、そこを利用されるのですね。

マルチ商法のターゲットになりやすい人

アメリカのマルチ商法のターゲットは女性、マイノリティー、貧困層、学生が多く、その中でも特に多いのが主婦層です。

特に、頻繁に転勤があり、引っ越しごとに知り合いのいない土地で新しい生活を始めないといけない米軍関係者の妻が主婦の場合は、

収入を得るチャンスという経済面だけでなく、人と知り合える、仲間ができるなど社会面のニーズにも訴えられるので勧誘のターゲットになりやすいです。

そういえば、わたしが受けた〇〇パーティーのお誘いの9割以上が、米軍基地のある街に住んでいたときに来ました。

その街では、マルチ商法の会社のスティッカーを貼った車がたくさん走っていましたね~。

ほかにも、宗教関係が勧誘に利用されることはよくあります。

キリスト教信者が創設し、トレーニングにキリスト教の思想を取り入れている会社はいくつもありますし、

モルモン教信者の多いユタ州は、Jamberry、Younique、 doTerra、そして Young Living などマルチ商法の会社が多いことで知られています。

なぜモルモン教かというといくつか理由があり、

まずモルモン教では、お金があり豊かな暮らしができるのは神の祝福とみなされるので、お金を儲けるのは良いことと信じられている背景があるのと、

モルモン教の全世界に広がる強いネットワーク、

そしてモルモン教徒は若いうちにミッショナリーと呼ばれる宣教師となって海外や州外に伝道に出る人が多いので、外国語が話せたり、ドアからドアへ宣教して歩き拒否されることに比較的慣れているのでセールスに適していることなどです。

わたしのマルチ商法勧誘体験

わたしも過去多くの有名なマルチ商法会社から勧誘を受けています。

このブログという自分のメディアを持つ発信者なので、ターゲットになりやすいのかもしれないですね。そうした勧誘のほとんどが SNS のメッセージ経由です。

ただ、ほとんどが主婦の方なのか、コピペした勧誘メッセージのあて名が、ユキさんではなくユミさんやユウコさんになっていたりして、詰めがめちゃめちゃ甘かったりします(笑)

ひとつだけ毛色が違ったのは LinkedIn 経由の勧誘で、

まつ毛が伸びるエッセンスで有名な会社から、今度日本に進出するから日本人のビジネス経験のある人を探していて、あなたの履歴書を読んでぴったりだと思い連絡した次第です、みたいなニュアンスでアプローチされたことがあります。

一瞬アナリストとしてのヘッドハンティングかと思い、早速会社のことを調べたくらいです^^

すぐに会員勧誘だとわかり興味なかったのでパスしましたが、フェイスブックやインスタグラムでもアメリカ在住の日本人女性たちがその会社の商品の写真を投稿して売り込んでいるのをよく見かけるので、あ、みんな勧誘 OK したんだ~と眺めております。

そして、わたしを勧誘した人と同じ人がリクルートしたのかしら~、と彼女の下にできあがっていく組織図のピラミッドを勝手に脳内で描いておりました。

以上はすべてアメリカの会社、日本のものでは、世界のどこに住んでいても稼いで自由に生きられる教材(?)とやらを売り込まれ、かつそのシステムに誘われたりとか。

こちらはインスタグラム経由が多いです。

わたしは個人的にマーケティングを勉強しているので、どんなやり方で誘ってくるのかな?と、あえてブロックせず様子をみてしまうことがあるのですが、

どの人もマニュアルどおりのまったくワザのない勧誘でつまらないですね…。

ですので、最近では勧誘とわかった時点で「旅しながら収入を得る教材とかの勧誘多いですよね~、〇〇さんのところも多くないですか?」などと先制しております。

勧誘だけでなく、パーティーへの招待も多く受けていますが、時期的には米軍基地のある小さな街に住んでいたときに集中しています。

旧き良きタッパーウエアに始まって(え!今もあるの!と驚きました)、化粧品、痩せるラップなどダイエット関係、若返るスキンケア用品、ジュエリー、鍋・キッチン関係、インテリア用品、洋服、エッセンシャルオイル、果ては大人のおもちゃ(!)まで…。

たぶん全米に存在するマルチ商法パーティーのカテゴリーはすべて網羅していると思います。

わたしがこれにどう対応していたかというと、

I’m not interested. Sorry!

この1行のみ。

ほんとに興味ないので。

「その日は用事があって…」とかの言い訳さえしてません。

だって、欲しいものがあれば自分で好きなのを探して買うもん。

実際は「断ったら角が立ちそう」とか、「行ってあげないとかわいそう」、「行かないとグループのみんなから何と言われるかしら…」という心配からパーティーに参加する女性が多いようです。

女性は、と書きましたが、男性のマルチ商法パーティーって聞かないですよね。

工具パーティーとか^^

もしかして腕時計パーティーとか、あるのでしょうか?

どんな人がマルチ商法ビジネスで成功するか

マルチ商法で稼ぐ人は、商品を売りまくっているから稼げているのではなく、自分の下にたくさんの会員がいて、その会員たちがさらに会員を増やし、育てているので稼げていることはもうすでにおわかりかと思います。

ただ、その会員たちが全員ビジネスを継続できるかというと決してそうではなく、多くの人が初期投資、つまり入会金や初回にオーダーしないといけないスターターキット等の代金(会社によって50ドル以下から5000ドルを超えるものまでさまざまです)を回収できないまま辞めて行きます。

ですので、あなたがマルチ商法で成功するには、常に新しい会員になりそうな人を見つけ、入会してもらい、彼らをトレーニングすることになります。

時間をかけて教えても辞めてしまう人たちを未練なく見送って、また新しい会員に一から教え、同時に新規会員を募集、これの繰り返しです。

ということは、マメで、世話好きで、聞き上手で、忍耐強く、社交的で、ビジネスセンスのある人が合っているかな、と思います。

わたしぴったりだわ!という方。

好きな商品があって、会社も信頼が置けそうなのでマルチ商法ビジネスを始めてみようかと思ったら、入会を決める前にまずはしっかりリサーチしてみてくださいね。

特に、前述の MLM Income Disclosure Statements には必ず目を通すことをおススメします。

勧誘やパーティーの断り方

断りたいときは、きっぱりはっきり断るのが一番です。

「興味がない」、「I’m not interested」で OK!

食い下がられたら「マルチ商法に興味がない」「I’m not interested in MLM」とダイレクトに言ってしまってください。

たとえ、相手が義理家族で角が立ちそうな場合でも、最初にはっきり断るべきです。

おわりに

最後まで読みきった方、おつかれさまでした^^
いかがでしたか?

SNS で頻繁に目にするマルチ商法。

特にアメリカではカジュアルなかんじなので、日本より頻繁に見たり聞いたりするかもしれません。

どうぞ正しく理解して、あなたのニーズや目的に合った適切な判断をされますように。

もし副収入だけが目的の場合は、検索すればマルチ商法以外にも色々な方法がヒットしますし、手っ取り早くアルバイトをしてお金を稼ぐことも可能です。

ぜひ広い視点で考えてみてくださいね。

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