サンピエトロ大聖堂
厳かな美に心打たれる大聖堂
クーポラにのぼってフラフラのままサンピエトロ大聖堂に入ってみました。
そして一歩足を踏み入れた瞬間、身も心も浄められるような、言葉にしがたい素晴らしさに圧倒されてしまいます。
なんというか、空気が澄んでいてそこにいるのが気持ちいいのです。
天蓋から降り注ぐ光に包まれた大聖堂の神々しさ。
建築物としての美しさもさることながら、ベルニーニのブロンズの天蓋(写真上中央)やミケランジェロのピエタ像(写真下)など、数多くの芸術作品が置かれています。
中でも、ミケランジェロは4体のピエタ像を手掛けていますが、完成したのはこのサンピエトロ大聖堂のピエタだけで、数多くの芸術家が手掛けたピエタ像の中で群を抜く傑作と称えられています。
このピエタ像にはミケランジェロの現存する唯一の署名が入っているのだそうですよ。
お祈り場所で母校の同窓生と出会う
サンピエトロ大聖堂ではお祈りをするエリアの入口に係員がいて、荷物のチェックをします。
大聖堂内は写真撮影 OK ですがお祈りエリア内では写真撮影と携帯電話の使用は禁止です。
さてお祈りをしてふと前を見ると、わたしの母校のAマークの入ったポロシャツを着ているひとが!
話を聞いてみると、フェニックス在住のカップルで、クルーズのフリータイムを利用してバチカンに来たのだそう。
わたしは母校ラブ?なので、こんなところでアリゾナつながりのひとたちと出会うなんて、なんだか嬉しかったのです。
お祈りエリアを出てふと気づくと、先ほどまであれほど気持ちが悪くてフラフラだったのがウソのように治っていました。
頭痛もすっかり消えています。
大聖堂内の清らかな空気の中で自然と体調が良くなっていました。
病は気から、の逆バージョンですね。
サンピエトロ大聖堂、入場は無料です。
バチカン美術館を時間がなくてパスされる方も、できればサンピエトロ大聖堂には入って、厳かで清らかな大聖堂の神々しさを体感してみませんか。
バチカン郵便局から絵葉書を出してみる
旅の記念にバチカン郵便局から絵葉書を出してみませんか?
サンピエトロ広場内には観光客も利用できる郵便局があります。
切手のデザインも豊富で、絵葉書もいろいろ選べますよ。
郵便局内に大きなテーブルがあるので、葉書に住所やメッセージを書いたら、バチカンカラーの黄色のポストに投函しましょう。
ちなみに葉書の左側半分にメッセージを書き、右側に宛先を書きます。
わたしが娘あてに出した絵葉書は、バチカンの消印を押されて1週間くらいで無事アリゾナの自宅に配達されたようです。
郵便局の場所はサンピエトロ大聖堂向かって左側、下の写真の矢印のあるあたりです。
バチカン訪問の記念にいかがですか?
バチカン美術館への長い長い長~い列
絵葉書を出した後、サンピエトロ広場を出てバチカン美術館へ向かいます。
システィーナ礼拝堂から大聖堂へ入る通路があるらしいのですが、大聖堂側からの逆ルートはないのでいったんバチカンを出て外をぐるっと回って美術館へ入ることになります。
結構な距離です。
バチカン美術館へ向かう出口はサンピエトロ大聖堂向かって右側です。
外へ出たらバス通りをバチカンの城壁沿いに歩いていきます。
さて、前日にバチカン美術館の予約を試みたけれど、予約でいっぱいなのか空きの表示がなくて予約できていませんでした。
わたしはどうしてもシスティーナ礼拝堂にあるミケランジェロの天井画を見たかったので、長時間待ってでも行きたかったのですが、そんなに美術に熱くない同行者男子2名を長い列につきあわせるのはとても気がひけて、別行動でもいいと提案してみました。
でも、未成年男子Aが見てみたいと(あ、見てもいいだったかな?)言ってくれたので皆で一緒に列に並ぶことに。
こんなに長い列に並んだのは人生初めてでした。
そして昨日に引き続き快晴で、じりじり暑い。
数々のツアーの客引きや物売りをかわしながら、1時間以上待ったと思います。
やっと美術館の入口にたどり着き、おなじみ荷物検査を通って、館内へ。
とにかく人人人、人だらけです!
ここは天井画さえ見られればOKと宣言していたので、美術館を旋風のように速足で駆け抜けシスティーナ礼拝堂を目指します。
この廊下が美しい!!! バチカン美術館・地図のギャラリー
システィーナ礼拝堂へむかう途中煌びやかな美しい廊下に心奪われます。
天井の金色と地図の青/緑、壁のクリーム色とデザインに使われている臙脂色の組み合わせがたまらなくイイ?
この廊下は地図のギャラリーと呼ばれています。
地図のギャラリーでは、教皇グレゴリウス13世がイグナシオ・ダンティ( Ignazio Danti) に監督させたイタリア各地の地図が、廊下の両側にずらっと展示されています。
司祭であり、また数学者および天文学者、宇宙誌家でもあったダンティは、グレゴリオ13世に招かれた教皇庁の数学者でした。
グレゴリオ13世といえばグレゴリオ暦で有名ですが、ダンティはユリウス・カエサルの時代から使われていたユリウス暦のずれの改良をめざすカレンダー改革委員会のメンバーでもありました。
グレゴリオ13世はダンティに宮廷の装飾プロジェクトの監督もまかせ、1580年のプロジェクト開始から18か月後、40枚の全イタリアと地方の地図のフレスコ画を含む地図のギャラリーが完成します。
天正遣欧少年使節に思いを馳せる
ところで、グレゴリオ13世に謁見している日本人がいるのですが、ご存知ですか?
天正遣欧少年使節の4人(伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルティノ)です。
少年使節団の一行は、1582年2月に長崎港を出発して、ポルトガル、スペインを訪れた後、ピサ、フィレンツェを経由してローマに到着しました。
少年たちは1585年3月にグレゴリオ13世に謁見し、ローマ市民権を与えられたそう。
バチカン美術館の地図のギャラリーが完成したのは1583年。
ということは、使節団の少年たちも地図のギャラリーを見学したのかしら?
煌びやかな廊下を思い出しながら思いを馳せてみます。
システィーナ礼拝堂
人混みをかきわけやっと到着したシスティーナ礼拝堂。
そこにはさらなる人混みが待っていました。
まるで満員電車さながらの込み具合です。
そんな人混みの中で、礼拝堂を下から見上げ、ミケランジェロの描いた天井のフレスコ画をじっくり鑑賞します。
ちなみに礼拝堂内では撮影と携帯電話の使用は禁止されていますのでご注意くださいね。
もし混んでいなければ、礼拝堂の壁側に椅子が並べてあるので、そこに座ってゆっくり眺めてみてはいかがでしょうか。
この日は激混みだったので、私がいる間は椅子が空く気配はまったくありませんでした…。
バチカン美術館の空いている時間帯を考えてみる
今回バチカン美術館に予約なしで行った自分を反省しています…。
それもわたしたちが行った10時台は通常とても混む時間帯だったようです。
美術館から出てきた12時過ぎにはなんとあんなに長かった列がなくなっていました(!!!)。
思えばバチカン美術館を見た後にランチ、という流れのツアーグループを多数見かけました。
ということは、ランチが12時だとすると、12時少し前からランチ時間(11時半~1時くらい?)の時間帯は穴場かもしれませんね。
今度バチカン美術館へ行かれる方は、ぜひ予約するか、早朝や午後遅い時間もしくは前述のランチ時間などの空いていそうな時間帯をねらってみてはいかがでしょうか。