イタリアの高速道路をレンタカーで旅した経験から、高速料金を事前に調べる方法や、料金所での表示の意味、イタリアの高速道路を運転する際に注意したいこと、そしてイタリアのZTL(交通規制区域)についてご紹介します。
ローマでレンタカーを借りてヴェネツィアへ
イタリアでレンタカーを借りるなら小さな車種がおすすめ
イタリアでレンタカーを借りるときは、人数や荷物の大きさなどの条件が許すなら、小さめの車がおすすめです。
理由は、高速道路は普通車で問題ないのですが、旧市街に入ると例外なく道が狭くて大きい車だと運転しづらいから。
そして、ローマ市内に限らずムリめな縦列駐車をする場面も多いです。
さらに、公共の駐車場の出入口が狭くカーブしている所が多く、レンタカーを擦ってしまわないかヒヤヒヤしたことも。
ですので、素敵なヨーロッパ車を安めに借りられるのは魅力的ではあるのですが、
あなたが運転にとっても自信がある人でも、フィアットとか可愛すぎてオレのキャラクターに似合わねぇし!というマッチョな人でも、
悪いことは言いません、小さな車にしておいたほうが旅行中のストレスがより少ないと思いますよ。
普通車を借りた私たちの体験談
私たちが借りたのはBMW 2シリーズ218d。
とても快適だったし、ちょっとぼこっとしたつくりながらたいして大きいわけでもないのですが…、
このBM君を待っていたのはこんな道。
上の写真はバチカンに近いローマの交通量の多いバス通りです。
両脇と中央分離帯沿いの駐車できるスペースには車がびっしり。
見事にコンパクトカーだらけですね。
ピサからフィレンツェへ向かう途中、トスカーナ地方をグーグル様のご指示通りに走っていると、そこは一方通行だったらしく前から車が!(地元車はやはりコンパクトカーなのに注目)。
結局私たちが長距離バックするハメに。
同じくトスカーナ地方。ただでさえ狭い道のわきに車が停まっていて、その横をすり抜けていくのが大変。
フィレンツェの街中は狭い上に自転車や歩行者が多かったです。
ビデオはウフィツィ美術館対岸のポンテヴェッキオ橋近く、車をとめたガレージから2車線の道路に出るまでの様子です。
(このビデオの場所は ZTL だった可能性があります。ZTLについては次の項で説明しますね。)
オルヴィエートも狭い道と路駐の車のコンビネーションで、運転しにくい石畳の道が続きます。
私より500倍くらい運転の上手い連れが運転していたのでよかったものの、アメリカで運転テクのすっかり退化した私が運転していたら泣いていましたね、何度も。
シエナ旧市街に至ってはタクシーの運転手さんも苦笑するほど狭い道が多かったので、シエナ駅前の駐車場に車をとめてタクシーで旧市街に入るのがおすすめです。
最後にもう一度言っておきます。
小さい車にしておいたほうがラクですよ!
ZTL(交通規制区域)に注意
イタリアの旧市街や観光地には ZTL(Zona a traffico limitato)と呼ばれる規制区域があります。
このZTLに許可のない車が入ると罰金が請求されます。
赤い丸の標識が出ているはずなのですが、これ、知らない街を運転していて目的地を探すのに必死なときには見落としがちです。
アメリカでグーグルマップを使って移動していると、この種の規制やスピード違反のカメラの位置などは地図に表示され便利なのですが、イタリアでは2018年のこの旅行の時点でそのレベルの表示には至っていなかったようで、グーグルマップではZTLの警告表示は一切ありませんでした。
知らずにZTLに入ってしまうと、その場では何もお咎めはないのですが、後日帰国して忘れた頃に罰金の請求書が届く、というのが通例のようですのでご注意ください。
ちなみに、うちにもヴェローナから罰金の請求書が届きました。
イタリアの高速道路で失敗しないコツ
ヴェネツィアに近づき高速道路を下りるときのこと。
機械にチケットを入れるのですが、何度入れてもエラーになって読み込まれません…。
機械が壊れているのか…初めて使うのでわかりません。
どうしようもないのでインターフォンで係の人を呼ぶと、どうやら英語が話せないようです(泣)。
だからといって、誰かがこちらにやってくる気配はナシ。
私たちの後ろには長い列ができてるのを後目に、振り出しに戻ってもう一度一からやり直しです。
あれこれいろいろ試してみて、やっとチケットが読み込まれて料金が表示されました。
その額、90ユーロ台。
た、高い。
でもね、ここで日本人であることが裏目に出てしまったんですね。
というのは、アメリカの基準では高いけど、日本の高速料金を考えるとまぁ妥当な金額に思えないこともない。
後続車の列からの目に見えないプレッシャーを感じつつ、カードで支払おうとすると、今度はカードがエラーになって使えません(泣)
幸い現金があったので払って、ゲートが開いたときは解放感いっぱいでした。
後日ヴェネツィアからヴェローナに向かうとき。
イタリアの高速料金は高い!と思い込んでいた私たちは、料金のあまりの安さに驚きました。
そのときは、ローマからヴェネツィアは遠いし、ヴェネツィアは観光地だからたくさん取られたのかしら、などと話していたのですが、
さらに、フィレンツェからローマに戻ったときも、これまたすごく安い。
そこで気づいたのです。
私たちが払った90ユーロ台のあの料金は、たぶんチケットを失くした人が払うペナルティーの料金だったに違いないと。
でも、英語は通じず、機械も故障しているかわからない状況で、いったいどうすればよかったんでしょう?
イタリアで運転する方が私たちみたいな目にあわないように、注意する点をまとめましたのでぜひ参考にしてくださいね。
あらかじめ料金を調べておく方法
高速料金はイタリアの高速道路 autostrade のサイトで簡単に調べられます。
1.www.autostrade.it/en/home の上部のオレンジの枠の中の、左から2番目Traffic, routes and tolls をクリック。
2.左の Departure に出発地、Arrival に行先を入力します。
3.この記事ではローマからヴェネツィアを選んでみます。確認してオレンジのCalculate をクリック。
4.画面右側に距離 と平均所要時間 Average Travel Time 、そして高速料金が表示されます。
38.8ユーロって!!!
私たちが払った金額の半分以下じゃないですか(泣)
現金を用意しておく
カードが使えないかもしれない対策として現金を持っておくといいですよ。
カードが使えない理由は様々ですが、カードの交信に時間がかかりすぎるだけでもエラーになることもあります。
チケットを取り忘れない・なくさない
高速道路にのったらゲートでチケットを取ります。
チケットをなくすとペナルティーを払うことになるので、失くさないように気を付けて。
係員のいる料金所で現金で払う
よく考えたら、アメリカでも無人料金所(空港の駐車場など)でカードが使えないことが何度かあったので、それ以来いつも人がいるゲートで支払うようにしていました。
それなのに外国に来ているということで、すっかりそういうことがあることを忘れていました。
アメリカでは何かあったらオフィスの人が歩いてきて助けてくれましたが、イタリアでは誰も来なかったし、まずその前に何かトラブルがあっても英語が通じない可能性があります。
なので対策として無人の機械ではなくて、人のいる料金所で払うようにしましょう。
対面なら、もしその係員が英語ができなくても、かわりにやってくれたりなどのアクションを受けやすくなります。
白い現金のサインに「手」が描かれているのが、現金支払いで係員がいる料金所です。
手が人がいることを表しています。
このサインのレーンに入りましょう。
現金支払いのサインはもうひとつあります。
こちらは白地に現金のみで手が描かれていませんね。
手がないということは、これは係員のいないゲートで現金を払う料金所のサインです。
お札は機械に通し、コインは所定の場所に投げ入れます。
左下の青地にクレジットカードが描かれているサインはカード支払いOKの意味です。
なので、これは現金かカード支払いの無人料金所のサインです。
ついでにクレジットカードのサインも見ておきましょう。
上のサインはクレジットカード支払いのみ、下のサインは黄色いTがついているのでクレジットカードとTELEPASS 両方OKのサインです。
TELEPASS のレーンに入らない
黄色いサインは TELEPASS という車載機による支払いで、日本でいうETC専用レーンです。現金かカードで支払うときは入らないでね。
ウインカーを出さない車が多いので気を付けて
イタリアの高速道路は、ウインカーを出さずにしれっと車線変更するのが主流でした。
高速道路以外でも、ラウンドアバウトでウインカーを出さずに強引に横入りしてくる車なども多いです。
運転中気をつけてくださいね。
イタリアの高速道路で失敗しないコツまとめ
- autostrade のサイトで料金を前もって調べておく
- 現金を用意しておく
- チケットを取り忘れない、なくさない
- 係員のいる料金所で現金で払う(白地に現金と手のあるサインのレーンに入る)
- 黄色いTELEPASSレーンに入らない
- ウインカーを出さずに車線変更する車に気を付ける
*Photo source: autostrade.it
イタリアの高速道路、サービスエリアAutogrill
取り扱い商品豊富なAutogrill
イタリアの高速道路には Autogrill という日本のサービスエリアのような施設があります。
アメリカでは Rest Area といいますが、アメリカのは飲み物とスナックを売る自動販売機とトイレがあるのみで、よくRest Area 自体が閉鎖されていたりします。
それにくらべてイタリアの Autogrill、場所によってはかなり優秀で、ごはんからおみやげまで幅広いです。
上の写真では美味しそうなパンの横でプロシュートとサラミがセールになってますね。
その後ろにはチョコレートの誘惑。
ほかにもワインやパスタ、オリーブオイルや調味料のセット、焼き菓子などをお洒落なディスプレイで販売していて、誘惑度マックスでした。
ワインやパスタのギフトセットなんかはとてもお値打ちなかんじでしたけど、セール品でないものは全体的にお値段少しお高めな印象ではありました。
Autogrill は入口と出口が別なところが多いので、入るときに確認しておくといいですね。
Autogrill で食べる
ランチに立ち寄った Autogrill のレストランはサンドイッチやペイストリーを売るベーカリーカフェと、カフェテリア、そしてシェフ監修メニューのバッフェがあって、ほかの Autogrill より豪華なかんじでした。
(すみません、場所は忘れました。ローマとヴェネツィア間です)
下の写真のバッフェのティラミスとベリーのトルタに心惹かれましたが、バッフェ担当のおばちゃんの態度が大変残念だったので、やっぱりカツサンドにしよっ♬とあっさり心変わりしベーカリーカフェへ。
こちらはやさしい女性が、カツはチキンだけどいい?と確認した後温めてくれました。
オーダーの仕方がローマの朝ごはんの記事でもお伝えしたバール方式で、まず別の場所のレジのある売店で欲しいものを言ってお金を払って、ベイカリーカフェのカウンターに戻って注文。
レジでは、sandwich with chicken cutlet と英語で通じるまでに少々時間がかかり、イタリア語の質問(飲み物はどうする?)を私がさっぱりわからずさらに時間がかかりましたが、なんとか買えました。
参考記事:コルネット|ローマのバールで朝ごはん
そういえば、イタリアのお店ではこちらの英語はわかっているようだけど、返事が全部イタリア語という場面がときどきありましたね。
がんばってなんとか英語で返してくれる率の高いドイツのお店との国民性の違いを垣間見るようです。
あと感心したのは、イタリアではたとえば支払いが5.5ユーロのときに、10ユーロ渡すとあと0.50ユーロある?と聞いておつりが5ユーロ札1枚になるようにしてくれるのです。
え、そんなのあたりまえじゃん!と日本で育ったあなたなら思うでしょう。
でもね、アメリカでは下手に小銭を足して渡すとものすごく困惑されることがわりとあるので、余計なことはしないほうがいいのですよ…。
アメリカとイタリアの算数教育の差を目撃してしまいました。
イタリアのロードトリップは寄り道が楽しい!
ローマ・ヴェネツィア間を走っていると、時折なにやら歴史のありそうな素敵な街並みが車窓から見えてきます。
気になる景色に出会ったら、帰りに寄ろうなどと思わずにその場で寄り道してしまうのがおすすめです。
このブログのイントロでお伝えしている「立ち止まる技術」ですね^^
上の写真は Orte という紀元前300年前後にローマとエトルリアの戦いの舞台になった場所です。
今回行きは時間が押していたので帰りに寄ることにしていたら、帰りはものすごい大雨で寄れなかったのです……残念。
ちなみに帰りの大雨の前に、お昼ごはんも兼ねて寄り道したオルヴィエート Orvieto は素晴らしかったのでおすすめです。
オルヴィエート:黒トリュフのオンブリチェッリ(ウンブリチェッリ)
おわりに
いかがでしたか?
イタリアはわりと公共機関で移動がしやすい国だと思いますが、レンタカーでの旅の魅力は好きな時間に出発して、好きなところに寄り道できるフレキシブルなところ。
そして石畳の道でスーツケースをガラガラと引き摺って移動しなくていいこと、ですね。
ぜひ安全運転でいろいろな景色を楽しんでください。