ヴェローナはシェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台として知られる美しい古都です。

とはいえ、観光都市としてはローマやベネチアほど知られていないので、行くべきかどうか迷う方も少なくないのではないでしょうか。

実際に歩いてみたヴェローナは、あちこちに名所が散らばる魅力溢れた街でした。

ヴェローナ観光おすすめシリーズでは、わたしが見て歩いて素敵だと思ったヴェローナのおすすめスポットをご紹介して、迷っている方の背中を押してさしあげます^^

この記事では、ヴェローナ大聖堂(ドゥオモ)、サンピエトロの丘、ローマ劇場、ピエトラ橋をご紹介します。

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サンピエトロの丘からヴェローナの絶景を見る

ヴェローナ サンピエトロの丘
宿のバルコニーから眺めるサンピエトロの丘
Credit: Yuki Kai

アルプス山脈からアドリア海に注ぐイタリアで2番目に長い川、アディジェ川。

ヴェローナを流れるその川沿いに建つ小高い丘がサンピエトロの丘です。

丘の上にはサンピエトロ城 (Castel San Pietro)、中腹にはローマ劇場(Teatro Romano di Verona)があります。

サンピエトロ城は公開されていませんが、お城の敷地からの眺めが絶景なのです!

このサンピエトロの丘の上から、素敵な中世の街並みの残る世界遺産・ヴェローナをまるごと眺めてみませんか。

ヴェローナ Credit: Yuki Kai

サンピエトロ城まで徒歩でも上れますが、ケーブルカーを利用するとラクチンですよ。

ヴェローナに限らず、旅行中は体力温存できるオプションがあるなら温存するほうを選ぶのがおすすめです。

わたしたちは上りはケーブルカー、下りは徒歩で景色を楽しみました。

サンピエトロ城へのケーブルカー
ヴェローナのケーブルカーは距離159m、高さ55mを90秒で上ります
Credit: Yuki Kai

ケーブルカー(funicular)営業時間と料金

営業時間

  • 4月~10 月 11:00 am – 9:00 pm (最終運行 8:45 pm)
  • 11 月~3月 10:30 am – 4:30 pm
  • 12月25 日と1月1日はお休みです。

料金(一往復)

  • 一般: € 2,00
  • 10歳未満および65歳以上: € 1,00
  • 15人以上のグループ): € 1,50

最新の情報は Comune di Verona Tourism の Funicular of Castel S. Pietroのウエブページでご確認くださいね。

ヴェローナ
サンピエトロ城から眺めるピエトラ橋とヴェローナの街並み
Credit: Yuki Kai

ローマ劇場

サンピエトロの丘を下りて行くと、途中に紀元前1世紀末に造られたローマ劇場(Teatro Romano di Verona)があります。

ローマのコロッセオやヴェローナのもうひとつの野外劇場アレーナ・ディ・ヴェローナのように、2000年以上前に造られた劇場で今なおコンサートが行われているなんて、素敵ですよね。

ローマ劇場 ヴェローナ
ローマ劇場 Photo Source: Public Domain
ローマ劇場
ローマ劇場に残る遺跡
Credit: Yuki Kai

ピエトラ橋

ピエトラ橋 ヴェローナ

サンピエトロの丘とヴェローナ旧市街を結ぶピエトラ橋 (Ponte Pietra) からの景色もいいですよ。

ピエトラ橋の起源は紀元前1世紀にさかのぼります。

上の写真、左側の2つのアーチはローマ人によって2世紀および3世紀に再建された橋の一部です。*

橋の残りの部分は1945年にドイツ軍に爆破された後再建されています。

ちなみに、下の写真に写るアディジェ川沿いのアパートの一室がわたしたちの宿だったのですが、壁の一部に敢えて土台の古い建物の壁を露出させてあるデザインで、このあたり一帯の建物が歴史的なものであることがうかがえました。

ピエトラ橋からの眺め ヴェローナ
Credit: Yuki Kai

夜景も美しい。

ヴェローナ ピエトロ橋からの夜景
Credit: Yuki Kai

ヴェローナ大聖堂(ドゥオモ)

Verona Duomo

ヴェローナ大聖堂(Cattedrale Santa Maria Matricolare; Duomo di Verona)でぜひ見てほしいのは、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ Tiziano Vecellio のフレスコ画「聖母被昇天」です。

ティツィアーノ 聖母被昇天
Duomo (Verona) – Cartolari-Nichesola Chapel – L’assunzione del Tiziano Photo by Didier Descouens

ヴェローナ大聖堂の歴史を簡単にご紹介します。

ローマ帝国時代にはお風呂つきの別荘があった場所に建つヴェローナ大聖堂。

最初の大聖堂は300年代に現在のサンタ・エレナ教会の位置に建てられましたが、すぐに手狭になり、より大きな大聖堂に造り変えられています。

当時の大聖堂のモザイクの床はサンタ・エレナ教会と回廊の下に見ることができます。

二つ目の大聖堂は7世紀に火事か地震によって倒壊したようです。

8~9世紀のあいだにSanta Maria Matricolareの名で知られる大聖堂が現在の位置に再建されますが、1117年の地震で甚大な被害を受けます。

再建は少なくとも20年に及び、その後15世紀後半から16世紀にかけて教会内部が完全に改装されます。**

このように再建や改築を繰り返すたびに新たな装飾が加えられてきているので、それぞれの時代の様式が入り混じった複合建築と言えますね。

時間があれば外側もぐるりと歩いて、ストライプの建物と装飾を観察してみてはいかがでしょうか。

同じストライプ柄の建物はヴェローナの別の場所でも見られます。

赤っぽい大理石はヴェローナの特産で、教会内部の柱もこの赤い大理石で作られています。

Verona Duomo
Credit: Yuki Kai
Verona Duomo
Credit: Yuki Kai
Verona Duomo
Credit: Yuki Kai

ヴェローナ大聖堂 見学時間と料金

  • 3月-10月:月曜―土曜 10:00-17:30 日曜 13:30-17:30
  • 11月-2月:月曜―土曜 10:00-17:00 日曜 13:30-17:00
  • 一般: € 3,00
  • 4教会チケット:€ 6,00 ヴェローナ大聖堂のほかサンゼノ、サンタ・アナスタシア、サン・フェルモを見学できます
  • 11歳未満とヴェローナカード保持者: 無料

最新情報はヴェローナ教会のウエブページ www.chieseverona.it でご確認ください。

ヴェローナ 大聖堂 
ヴェローナ大聖堂西側
Credit: Yuki Kai

さて、わたしがこの大聖堂を気に入ってやまないのは、実は大聖堂の西側にある彫刻のせいです。

普段3Dアートにたいして関心のないわたしが心底惚れてしまった彫刻は、これ。

天使のブロンズ像
Credit: Yuki Kai
ヴェローナ大聖堂
Credit: Yuki Kai
アルバノ・ポリ 天使像 プラーク ヴェローナ大聖堂 
Credit: Yuki Kai

アルバノ・ポリというヴェローナ出身のアーティストによる天使像L’Angelo Blu Dell’Accoglienza。

大聖堂建立当時からの美術品ではなく、2015年作、とつい最近作られたばかり。

正面から見ると、「ようこそ、こちらへどうぞ」といわんばかりに、わたしたちに最大限の敬意を払い、かつ慎ましやかに教会のドアを示す天使。

違う角度から見ると、大きな羽根で静かにはばたいて空中に浮かんでいるようにも見えます。

360度どこから見ても美しい傑作です。

わたしはこの天使にあまりにも惚れてしまって、ヴェローナを発つ朝にもう一度会いに行ってしまったくらいです。

ヴェローナ大聖堂の中を見学した後は、ぜひ西側も訪ねて、この教会に使われているのと同じ青色の衣服を纏った天使像にも会ってみませんか?

ヴェローナのおすすめはまだまだあります。

つづきは次の記事で。

*Ponte Pietra (Stone bridge), turismoverona.eu
**The Cathedral, turismoverona.eu

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