この記事では、シエナ滞在中トスカーナ地方のドライブもかねて、サンフィリッポ温泉に遊びに行った時のことをご紹介します。
シエナ観光初日、最初にしたこと
前日夜遅く、ミラノからパルマ経由でシエナに到着した翌朝。
目が覚めると、ベッドから塔が見える~?
なぜか前の晩一目見たときからすっかり気に入ったこの塔にときめきながら、まずはベッドに入ったまま写真を1枚。
塔を眺めながら、朝ごはんを食べつつ、今日はどう動くか話していると(例によってふたりとも何も決めずに現地入り)、連れの男子が言うのです。
「トスカーナ地方には温泉があるんだよ!」
お?目が輝いてる。
既に検索済みらしく、いくつかある温泉のことを、ここは何時間で行けて~とか色々教えてくれます。
彼は温泉ラブなのでものすごくときめいている様子。
普通ならがっつりシエナを観光する場面なのでしょうが、折角車で来ているんだから行ってみよう!
普段よくしてもらってるお礼に、こんなときにはとことん気が済むまで好きなことをしてもらいたいですからね。
寒いから風邪ひくわよ、とか野暮なことは言いません。
外は3℃くらいだけど。
それに温泉なりスパなり水に入ることもあるかもと、スーツケースにはちゃんと水着も入ってるし。
というわけで、遠出して温泉に行くことになりました。
サンフィリッポ温泉(Bagni San Filippo)
シエナの街をてくてく歩き、駅前の駐車場へ。
車で街を通り抜けると、トスカーナ地方の牧歌的風景が広がります。
なだらかな丘、ブドウ畑、時折現れる大きな邸宅とそこに続く並木道の風景は、まるで映画や写真で見るトスカーナそのもの。
そんな美しい景色の中を1時間ちょっと走ると、目的地バーニ・サン・フィリッポ(Bagni San Filippo)に到着しました。
一応ホテルやオステリアなどあるようですが、山の中の小さな田舎町といったかんじです。
山道沿いに車をとめて、トレイルを下りていきます。
トレイルを下りるにつれて徐々に硫黄の匂いが強くなってきて、温泉気分!
しばらく雨が続いていたらしく、その日、未舗装の道は結構ぬかるんでいました。
スニーカーを持ってきておいてよかった。
少し歩くと温泉に到着しました。
まずは上流へ。
寒いしぬかるんでいて、注意して歩かないと足が靴ごと泥に埋もれてしまいます…。
結構な悪条件にもかかわらず、わたしたちのようなもの好きなみなさんが2~3組遊びにきていました。
湯気が上がってる~?
青白く白濁したお湯の温泉です。
この上流の温泉は、寒い冬に全身つかるにはちょっとぬる目でした。
でも、晴れの日に自然の中で温泉って気持ちいいです。
水面に映る空の青と森の緑が美しくてほれぼれ。
ちょっとぬるすぎるのであまり長居せず下流へ行ってみると、ちょうどよく熱目の温泉を発見!
これは気持ちいい!
上の写真は教授がご満悦で温泉につかっている姿を消して記事に使えるようにしたものですが、それでも写真からいい湯だな♪的なオーラが出ているようです。
後ろに打たせ湯もありますね!
なんでも、白濁した温泉の底に泥が沈殿していて、それを身体に塗るとお肌に良いらしいのです。
わたしも塗りまくって肌美人になりたかったのですが、なんせ山奥なのでシャワーなどの設備はなく、洗い流すオプションが極寒の中の打たせ湯だけと厳しかったので、今回はパス。
柿ピーを食べながら温泉満喫中の教授には飽きるまで浸かっていてもらうことにして、自分は服を来てダウンコートを着込み、さらに下流に行ってみることにしました。
ちなみに着替える施設などももちろんないので、たとえまわりに誰もいないとはいえ、濡れた水着を脱いで着替えるのは結構チャレンジングでした。
白いクジラ (Fosso Bianco)
落ち葉がたくさんあるぬかるみですべって転びそうになりながら(またか!)下流に下りていくと、白く輝くエリアが!
おおっ!これがウワサの白いクジラ!
さきほどわたしが温泉に浸かっていたときに通り過ぎていったカップルが遊んでます。
真っ白な石灰質が結晶化してキラキラしていて、その上を温泉のお湯が流れています。
白いクジラにのぼってみたかったけど、また滑りそうになって盛大にぬかるみにハマって足首まで泥に浸かってやる気をなくしたので、教授のいる上流へ。
上流に戻ると、教授はまだ温泉絶賛ご満悦中で、わたしにも柿ピーをすすめてくれました。
祝?温泉日和!
ちなみに、彼は湯冷めして風邪ひいてしまいました?
サンフィリッポ温泉 場所
サン・フィリッポ温泉は、シエナから車で1時間ちょっとです。
わたしたちと入れ替わりで温泉に入ってきたイタリア人とおぼしきカップルはワイン持参でしたよ。
12月は寒いので人が少ないのはいいですが、やっぱり暖かい季節に行くのがよさそうですね。
おわりに
いかがでしたか?
イタリアって意外と温泉が多いんです。
火山があって、地震があって、温泉もある。
歴史と文化も深く、素材の良さをいかす美味しい食事。
イタリアって日本と共通項大アリだな~なんて、温泉につかりながらふと思っていました。
イタリアは街中の観光も素晴らしいところだらけですが、時間があったらぜひ郊外にも足を運んでみてはいかがでしょうか。