さて、2018年のイタリア旅行記を無事書き終えたので、その間お休みしていたドイツ~オーストリアの旅に戻ります。
え~っと、どこまで行っていたかというと、ミュンヘンからザルツブルクへ行き、その後イエナに滞在しながらドレスデンにお出かけしたりしていたところでした。
今日はイエナにあるドイツ光学博物館(Deutsches Optisches Museum、旧イエナ光学博物館)に行ったときのことを思い出してみます。
光学博物館なんて難しい名前ですけど、光学のことを知らないわたしでも、美術やファッション視点で見てなかなかおもしろい博物館でした。またカメラファンはもちろんのこと、プラネタリウム関連の展示も充実しているので、天文ファンの方にも楽しめる博物館です。
では早速ご紹介します。
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光学エリアを網羅するコレクション
ドイツ光学博物館の展示内容は、イエナという土地柄ツァイス社 Zeiss 関連のものが豊富です。しかしツァイス社の歴史にとどまらず、メガネ、顕微鏡、カメラ、プラネタリウム投影機など光学エリアを網羅し、見応えある展示になっています。
博物館はアッベ博士の廟の向い側にあります。建物は、堅実なかっちりしたデザインですね。
わたしが行ったときは、館内の表示がドイツ語のみでした。幸い同行者教授が光学の専門家なので、彼に説明してもらうという贅沢な見学を極めましたが、ドイツ語ができなくても大丈夫ですよ!ドイツ光学博物館では、英語やフランス語をはじめ日本語のオーディオの貸出しがあります。
ウエブサイトもほとんどドイツ語でインターナショナルな顧客はどうでもいいっぽい雰囲気を漂わせておきながら、実はちゃんと手を打ってあるんですね!ついでに館内の表示もせめて英語だけでも加えてほしいところですが、そうしないのはオーディオガイド貸し出しの売り上げアップ作戦なのかしら? まさかね。
では、どんな展示だったか、さらっと見てみましょう。
鳥男?!いえ、違うんです。
この服装、疫病発生時に消毒したりする人が身に着けたものなんです。鳥のようなマスク部分にメガネがセットされていますね。
上の写真は単玉眼鏡と呼ばれるものです。特に左の列の Manokel は金やルビーなどの細工が施され美しい。
はっきりいって虫眼鏡のようですね。柄のデザインが素敵。
こちらはハサミ型メガネ(Scherenbrillen)。ちょっと使うの大変そうですよね。
ローネットと呼ばれるメガネです。この形は映画で貴族がオペラを観るときなどに見かけたりしますね。柄の部分のデザインが凝っていて美術品のよう。素敵です。柄が真ん中のハサミメガネよりもローネットのほうが断然おしゃれですね。
一番下のは二人用? もしそうなら絶対使いにくいそう…。オペラを観ながら喧嘩勃発しそうですよね。
アジアのメガネの展示もあります。右上の三つが日本のもので、鼻眼鏡と呼ばれるタイプですね。
日本のメガネはフランシスコ・ザビエルによってもたらされたといわれていますが、この展示の説明書きに
Durch nach Nagasaki einwandernde Chinesen verbreiteten sich auch die chinesischen brillenformen
長崎に移民した中国人もまた中国のメガネを普及させた。
とあります。あ、いえただ、ドイツのかたすみで故郷長崎の地名に反応してしまっただけです。
顕微鏡のコレクションも豊富です。なかでも写真の顕微鏡は美しい装飾が施されていて、書斎のインテリアのアクセントに使うといいかんじになりそうで素敵です。
このほか、カメラやプラネタリウム投影機など充実した展示でした。あまりに充実していて、写真を撮り続けてもきりがないと感じて写真を撮るのをやめて見学に集中していたので、カメラとプラネタリウム投影機は写真がなくてごめんなさい。
この日わたしが撮った写真はこのデザイン素敵~という路線の小物が多かったのですが、なかにはこんな色気のないものもわたしの心をつかんでいました。
これはたしか、写真測量の機械だったと思います。説明してもらったのに、あぁ全然覚えてない…。なにか凄いものに違いないというオーラ全開だったことだけは覚えています。
ツァイス、アッベ、ショットを組み込んだダイアグラムはまさにイエナの縮図ですね。
もちろんアッベ博士の数式も恭しく展示されています。
アッベ博士直筆の数式が美しすぎる?
式そのもののエレガントさというよりも、羽根ペンの字体の美しさに惚れ惚れします。
エレベーターに鏡が使われていてとても綺麗なので、上階から見下ろしてみてくださいね。
ドイツ光学博物館 場所と料金
Deutsches Optisches Museum
Carl-Zeiss-Platz 12
07743 Jena
Jena Paradies 駅から歩いて10分です。イエナは大きな街ではないので、歩いて回れますし、バスやトラムも走っています。
以下は2018年9月現在のドイツ光学博物館ウエブサイトの記載されているものです。最新の情報は、下記のウエブページまたは現地でお確かめくださいね。
開館時間
火曜―金曜 10:00 – 16:30
土曜 11:00 – 17:00
日曜 月曜 祝日はお休みです。
入館料
- 大人(Erwachsene) 5ユーロ
- 割引(Ermäßigt ) 4ユーロ (こども、学生など)
- ファミリーカード(Familienkarte) 12ユーロ(両親とその16歳以下の子ども3人まで)
- 未就学の幼児は無料です
- 日本語オーディオガイドの貸し出し 2ユーロ (デポジット(前預り金)5ユーロ)(ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語もあります)
15人以上のグループ
- 生徒 2.5ユーロ
- 学生 3ユーロ
- 大人 4ユーロ
ドイツ光学博物館とツァイス・プラネタリウムの共通券
- 大人 13.5ユーロ
- 割引 11ユーロ
世界最古のプラネタリウム ツァイス・プラネタリウムも見てみる
イエナには世界最古のプラネタリウムがあり、現在も操業しています。それに、カールツァイス社が世界初の光学式プラネタリウム投影機ツァイス1型を製造したことから、イエナはプラネタリウム発祥の地として天文ファンに知られているのです。
わたしは時間が合わず行けませんでしたが、興味のある方は光学博物館とプラネタリウムのセット券を買って、両方行ってみるのもよさそうですね。
Am Planetarium 5
D-07743 Jena
月曜~金曜 9:00-12:30 13:30-18:00
土曜~日曜 9:00-15:00
祝日 9:00-15:00
ドイツの博物館系の場所が日曜と月曜も開いているのは珍しいですね。
ツァイス・プラネタリウムのウエブサイトはドイツ語オンリー(商売意欲ゼロ?)ですが、最新情報はウエブページで確認してみてください。
開館情報:Informationen für Gruppenreisen ins Planetarium
館内にカフェとレストランもあるようです。
Herzlich Willkommen im Restaurant Bauersfeld
おわりに
いかがでしたか?
イエナでツァイス社の歴史とともに光学の世界にどっぷりつかってみるのもいいですね。
ドイツ旅行記、次回も引き続きイエナの街を歩いてみます。