イタリアを車で旅するメリットは断然フレキシブルなところです。

荷物を持って移動する時間が最小限で済むし、好きな時間に動けて、途中面白そうな街があったらささっと寄り道できる。

それじゃ、デメリットは?

旧市街の狭い道が運転しづらかったり、規制があって一般車両は入ってはいけない道路があったり。

駐車場を探すのも街によっては苦労することも。

そして、もうひとつ、あなたがわたしのように交通量の多い大きな道路のラウンドアバウトに慣れていなかったら、渋滞時のラウンドアバウトでは本気で泣きたくなるかもしれません。

今日は、わたしがボローニャで体験した渋滞ラウンドアバウトの話などしてみましょうか。

無法地帯突入

ラウンドアバウト
ラウンドアバウト
Credit: Javier Bosch

わたしと教授がレンタカーで旅行するときは、結構ムリ目な距離を移動することがあります。

そんなときは交替で運転して、運転してない方は遠慮なく眠ったり休むようにしています。

また、ふたりとも同時に眠くなることも多いので、どうしようもないときはサービスエリアに車をとめて仮眠します。

交替で運転するとはいっても、難しい箇所の多い旧市街や都会の街中は、地図を見るのが抜群に上手くて運転がわたしより断然上手な教授が走ってくれるのが本当にありがたい。

なので、わたしがイタリアで運転するのは高速道路が多いのですが、この方法にはひとつ盲点があります。

それは、高速道路の最後のサービスエリアを逃すと、運転を交代できるチャンスがないまま難しい道路に突入してしまうかもしれないのです。

その日、アレッツォで美味しいランチとサンフランチェスコ教会の「聖十字架伝説」を堪能したわたしたちは、その夜の宿泊地ボローニャへ向かっていました。

途中からわたしが運転を替わり、高速道路を運転していたのですが、前日極寒の中サン・フィリッポ温泉で露天風呂三昧して風邪気味だった教授は、助手席で熟睡しています。

ちょっと調子悪そうだった彼を起こすのはかわいそうだったので、高速道路を降りる手前のサービスエリアには寄らずに、彼を寝かしたままにしておくことにしました。

ま、大丈夫でしょ!といつもの根拠のないポジティブさ。

が、しかし!

高速道路降り口手前から異様な渋滞。

不吉な予感…。

ノロノロとほんの少しづつ進んでいくうちに、どうして渋滞しているのかわかりました。

高速道路を降りてすぐのところがラウンドアバウトになっているのです。

高速道路からラウンドアバウトに合流するときに車線が減るので、外側の車は車線変更しないといけないところから混雑が始っています。

さらにラウンドアバウトではただでさえスピートが落ちるのに、行きたいところに抜けるための車線変更ができずに動けない車や、車線ではないところに新たな車線ができているなど、混沌という言葉がぴったりな状況になっています。

なるほど、車線がないと交通って機能しないんですね…。

そこは弱肉強食の無法地帯です涙

あ~かなりピンチ!

助手席の教授はというと…スヤスヤお休み中です。

起こしたところで交替する場所はないので、このまま熟睡してもらうことにして、わたしは自分の中の男前の女を必死で呼び出していました。

最悪だったのは、ラウンドアバウトが高速道路の降り口だけではなかったこと。

その道路の交差点はすべてラウンドアバウトで、もういったいいくつぐるぐるしたかわかりません。

交通量の多い道路にラウンドアバウトを作っても渋滞するだけで何のいいこともないと思うんですけど….ボローニャ、信号機を設置する予算をケチったのでしょうか?

渋滞のラウンドアバウトを突破するコツ

わたしは、最初のラウンドアバウトに入る前に一生懸命男前バージョンの自分を呼び出し、半分の自分は超強気、残りは半ベソという二重人格者の状態でラウンドアバウトという名の無法地帯に入りました。

ここを突破するには、まずは工事中で一方通行になっている道を思い出してみてください。

旗を持ってそれぞれの車線の車に「止まれ」「進め」と指示を出す交通整理の係の人がいますよね。

これは日本にいるときに教わったのですが、交通整理の係の人は止めやすそうな車を選んで車を止めて通行車線を変更するので、あまりスピードを落とさずに強気で進むと止められないのです。

ラウンドアバウトでも同じで、慎重なあまりゆっくりしすぎていたり、安全のために十分な車間距離をとろうものなら、自分の前にありえないところからありえない角度で車がどんどん入ってきてそこに新しい道ができ、あったはずの自分の車線がなくなるので、強気で自分の車線をキープするしかありません。

そして、もうひとつ。

セールスマンが閉じられようとするドアに靴の先を踏み込んでゴネる場面がありますよね?

車線変更のときには、あれを車のバンパーの左右の角で(ぶつけないように)やってみてください。

その際、車線をまたいで斜めに停止したり、自分が間違ったことをしているように見えても躊躇せずに。

王様にでもなった気持ちで進んでください。

すると、道は開けます。

強引に道に入った後は、お礼に笑顔で手でも振っておきましょう。

おわりに

いかがでしたか?

ラウンドアバウトは田舎や交通量の少ない街では難しくないし、外国感あふれてときには優雅でさえありますけど、都会の渋滞時は難易度アップしますよね。

ですので、車で未知の都会に入るときには、ルートを前もって調べて、まだ明るい時間でなおかつ通勤時間帯を避ける旅程を組んでおくと心に余裕が生まれると思います。

これはアメリカの都心のフリーウエイを走るときも同じです。

そして、運悪く渋滞ラウンドアバウトに突入してしまったときは、罰ゲームと思わずに障害物ゲームとでも思って、ゲーム感覚で攻略してみてください。

どうぞくれぐれも安全運転でね?

イタリアの高速道路をレンタカーで走る

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