英語を話すときは言いたいことをはっきり言いなさい、回りくどい言い方はダメ、と日本で学生時代に習いませんでしたか?
わたしはどの時点でそう刷り込まれたのかもう覚えていませんが、長い間英語のコミュニケーションははっきり伝えてなんぼ的な捉え方をしていました。
ですので、アメリカで生活していくうちに、必ずしもはっきり言うのが毎回正しいわけではないと気づいたときはとても意外に思ったものです。
今日は、わたしたち日本人だけでなく英語が母国語でない人が、英語でやりとりをするときに覚えておくといいことをご紹介します。
仕事、留学、旅行など英語でやりとりする場面で参考になれば幸いです。
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イタリアの美味しいレストランがレビューで最低と書かれるワケ
先日の記事 シエナでトスカーナ料理 でとりあげたレストランのレビューを読んでいると、素晴らしい!というレビューに混じって最低!というのもあり、店員のサービスや態度に不満だった方も少なからずいるようでした。
わたしたちが行ったときは普通だったのにどうしてかな~と不思議に思い、評価の低いレビューを読み進めると、ピンとくることがありました。
18の星1コのレビューのほとんどがイタリア語圏以外のユーザーで、レストランオーナーやウエイトレスに言われた言葉に対して失礼だ!とご立腹のケースが多いことから、たぶんランゲージバリアによるコミュニケーションミスの可能性が高いかな、と。
イタリアの人たちの母国語はイタリア語。
英語が上手な人もいれば話せない人もたくさんいるようで、そんなところは日本に似ていますね。
片言の英語が不躾に聞こえることもあるし、言い方がわからなくて面倒なときにはコミュニケーションが上手くいかないこともあるでしょうしね。
で、英語ができる側からすると、そんなぶっきらぼうなコミュニケーションに対してなんて失礼な!となっちゃう。
不毛なサイクルですね~。
でもこれ、英語を使って生活していると、いろんな場面でよくあることなんですよ。
その英語、ダイレクトすぎない?
英文メールが冷たい
前職で様々な国の出身の人たちと働いていたときに気づいたことがあります。
それは、メールを読むとその人がアメリカで育ったかどうかがはっきりわかるということです。
ま、個人の性格の違いとかもありますけど、わたしを含む非英語圏出身者のメールは、簡潔明瞭だけど、な~んか冷たいことが多かったんですよ。
それに比べて、アメリカで育った人のメールは、それが単純な連絡事項だったとしても、もっと柔らかいことが多いんです。
もちろんアメリカ人にも個人差があり、なかには徹底的に不要な言葉を省いた暗号一歩手前みたいな短いメールの人もいましたけど、
主流はもっと感じよくて、ビジネスメールでありながら、なんというか、パーソナリティーが伝わってくるかんじ。
明らかに読後の印象が違うんです。
英語の語彙力不足で単刀直入すぎ
ヒンズー語圏出身の同僚のメールのぶっきらぼうさにうんざりしたある日のこと、
まさか自分はこんなメール書いてないよね?と自分のメールを読み返してみたら、自分のも相当冷たいということを発見してしまいました(笑)。
彼よりはいくぶんマシに見えたとはいえ結構ショックだったので、コミュニケーションが特に上手な同僚数人のメールと読み比べてみたんです。
すると、どうして彼とわたしのメールが冷たいかんじなのかが見えてきました。
それはですね、わたしと彼のメールは、良く言えば、簡潔明瞭で、要点はバッチリ押さえてあるんですけど、相手を気遣うちょっとした言い回しが入っていなかったんです。
語彙力不足で、単刀直入すぎ。
具体的に例をあげてみますね。
たとえば、「明日までにこれを仕上げて」と伝えたいとき、
彼:Finish this by tomorrow.
わたし:Please finish this by tomorrow.
同僚:I know you are so busy with other projects but would it be possible to finish this by tomorrow?
内容は同じでも言い方で印象が変わってきますよね。
このように、わたしたち日本人も含め、英語が母国語でない人が話したりメールしたりするときには、あたりを柔らかくする枕詞的な語彙不足で、直球すぎてカンジ悪く見えるのはよくあることなのです。
ほかに良い例がないかな~と検索してみると、英語圏で働くドイツ人むけに書かれた記事がありましたので、興味ある方は読んでみて。
Softening your phrases in business communication
わたしはドイツ出身の人と仕事をしたことはありませんが、彼らの英語も結構直接的だったりするのかもしれませんね。
アクセントの不平等
さて、語彙不足にさらにアクセント(英語の訛り)が追い打ちをかけてしまうことがあります。
どういうことかというと、非英語圏の人が話す英語って、わたしたちの耳にソフトに聞こえるアクセントと、喧嘩売ってる?的な攻撃的なアクセントがありますよね?
攻撃的なアクセントで言葉足らずな表現を話すと、破壊力が急激にアップしてしまうのでものすごくかんじ悪くなってしまうことが多々あるのですよ。
それとは逆のケースで、ちょっと前に、韓国出身の知り合いがフランス出身の同僚女性のはなしをしてくれたことがあります。
知り合い曰く、そのフランス出身の彼女の方が英語は下手だし仕事もできないのに、彼女のフランス語アクセントに周りの男性たちがぼーッ?となって、職場でモテモテらしいのです。
まぁ、知り合いのジェラシーフィルターが多少かかっているかもしれませんけど、ブリティッシュアクセントの男性がアメリカ人女性にモテるケースも聞いたことがありますし、アメリカ人はヨーロッパ訛りに弱いというのは、間違いではないみたいですね!
訛りがフェロモン効果を出しているよう。
その夜の集まりはわたし以外は全員韓国出身の女性たちだったのですが、そこでわたしたちが出した結論:
アジアンアクセントではどうがんばってもアクセントフェロモンはムリ。
…こんな不公平なことがあっていいんでしょうか…?
英語の語彙不足でカンジ悪く見えてしまったときの挽回方法
では、語彙不足とアクセントが原因でカンジ悪い印象になってしまったとき。
そのイメージをくつがえす一番簡単な方法は、笑顔です!
いつも明るく、出し惜しみせずにっこりしてみてくださいね?
英語が母国語でない相手のことも気づいてあげられるようになる
語彙力不足とアクセントから必要以上に冷たい印象になってしまうことがある。
この事実を知っていると、言い回しに気を付けるようになるだけでなく、ほかのメリットもありますよ。
それは、日本以外の非英語圏出身の人とやりとりするときに、何えらそーに、失礼な!と怒る前に、もしかしてこの人は場面にふさわしい言い回しを知らないだけかも?と気づいてあげられるようになるのです。
語彙とアクセントが問題なのか、本物の性格悪い人なのかは自然とわかると思いますよ。
おわりに
いかがでしたか?
英語でもいつも気持ちの良いやりとりができるように、今日の語彙とアクセントのこと、ぜひ覚えておいてくださいね。
ではでは、今日も笑顔で良い一日になりますように!