わたしがつらいことを誰にも言えず苦しかった別居・離婚前後には、自分と似たような事例の記事をインターネットでたくさん読んで、ツラい自分を救う方法を探していました。
その中には心理学の専門家のかたたちが書いた素晴らしい記事がたくさんあり、参考にさせてもらったのを覚えています。
そして、そんな専門家の方たちが書いた記事には共通して出てくる言葉があることに気づきました。
それは「ゆるす」です。
どうやら、先に進むにはまずゆるして手放す、ゆるさないと先に進めないというのが現在のネット上の主流の考えのよう。
でも、理屈はわかるけど、わたしはどうしてもゆるせない!というひとはどうしたらいいのでしょう。
わたしは専門家ではありませんので、こうしなさいと決定的なことは言えませんが、そのかわり、今日はわたしがどうしたかをお話しします。
もし、あなたが、かつてのわたしのようにゆるせないことをつらく感じているのなら、参考になると思います。ぜひ読んでみてくださいね。
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ゆるせること、ゆるせないこと
ゆるしなさいと説く宗教は多いですよね。
だから、ゆるすということには尊いこと、美しいことというイメージをわたしは持っています。
だけど、どこまでゆるせてどこからはゆるせない、という線引きは人により様々。
わたしが元夫に他に女性がいることを知ったときも、ゆるせたこととゆるせなかったことがありました。
意外とあっさりゆるせたのは、他の女性を好きになったこと。
これは、人間生きていればそんなこともあるだろうと単純に思えました。
ゆるせなかったのは、その時点からの元夫のわたしへの接し方。
わたしは嫉妬深いパラノイアと罵られ(実際はなにもかもが事実でわたしの妄想ではありませんでした)、まったくリスペクトのない酷い扱いを受けました。
でも、ここまでは離婚して離れてからゆるせました。
というか、ゆるすもなにも、もう完全に彼をすっぱり断ち切ったので、わたしの心の中に彼が登場しなくなったのです。
あ、そういえば、わたしは暗黒時代によっぽどダメージがあったらしく、元夫との記憶の大半が抜け落ちています。まるで記憶喪失レベルです。これは、たぶん脳が自分自身を守ろうとするメカニズムだったんだろうなと思っています。
わかってるけどゆるすのはムリ
ここまでは順調だったのですが、離婚後大学を卒業し、無事に就職して仕事もプライベートも楽しく過ごしていたとき、どうしてもゆるせないことが起こりました。
もうすでに起こっていた問題が発覚して、わたしの目の前に突然現れたといったほうがいいかもしれません。
あまりにもプライベートすぎてまだここに書く勇気がありません…。
でも、その事件と過去の積み重ねから、どう心を清らかに鎮めても、一生わたしが元夫をゆるすのはムリだとしか思えなくなりました。
たとえば、あなたの家族を殺されたら、あなたは殺人犯をゆるせますか?(あ、わたしの家族が殺されたわけではありません)
たぶんムリじゃないですか?
そういうレベルでムリだと思いました。
心に暗い部分を常に抱え生きていくのはしんどいですね。
前に進むにはゆるせという考えと、いやムリという自分。
なんなのそれ、ただのひとり相撲じゃんって思われるかもしれません。
でもね、どんより重くしんどくて、わたしはひとりでよく泣きました。
ゆるさなくても前には進める
また泣いてたのかって?
はい^^
もう、しょうがないですね~。
でも、今回は何か月も泣き暮らしたりしないで、すぐに対処する行動に移せましたよ。
そうできたのは、わたしがひとに自分の問題を話すことができるようになっていたのと、わたしのために動いてくれた複数のひとたちの存在があったからです。本当にありがたいです。
そうやってプラクティカルな部分では、そのときこれがベストだと思うことを実行できました。
でも、その後も精神的にしんどい日々を送っていました。
乗り越えて前に進みたいけれど、心の中で前に進めない。ゆるせない。
忙しくあちこちを飛び回る中で、ふと気を許すと、ぽっかりと真っ暗な闇に落ちる時間がやってくる生活。
その時間が耐え難い。でもやっぱりゆるせない。
苦しい。
で、どうしたか。
わたしは、ゆるせない自分をゆるすことにしました。
もういいよ、ゆるさなくて、と自分に言いました。
相手への恨みつらみを持って毎日を生きるのではなくて、忘れ去り、過去に葬ることにしました。
消し去ってしまったんです。
たとえば、メールを消去したら、そのメールはまだゴミ箱に残ってますよね?
そして、ゴミ箱を空っぽにしてはじめて、メールのシステムから削除できます。
さらに、ディスクを初期化して0.1バイトの(そんな単位ないけど^^)跡さえないように消し去る。
なにが正しいとか、もうそういうことは抜きにして、わたしはそういうふうに消してしまうことにしました。
ゆるせないことがどうしてこんなに苦しかったのか
当時、わたしが苦しいのは元夫をゆるせないからだと思っていましたが、実は真の理由は別のところにありました。
なぜあんなに苦しかったのか。
それは、そんな元夫と出会って結婚して、そんな許せないことを起こらせてしまった自分をゆるせなかったからです。
元夫と出会ったとき、話さずに通り過ぎていればこんなことは起こらなかったのに。
結婚しなければ。
あのとき娘と日本に帰っていれば。
もっと上手く対処していれば。
…。
いったいどうして地球上にこんなにいる男性の中からよりによって元夫と結婚してしまったのか。
そんなきりのないこと。
考えてもどうしようもないこと。
そんな遠い過去の自分の決断と生き方がゆるせなかったのです。
苦しかったのは当然ですよね。
だって、なにをどうしたって過去は変えられないのだもの。
だから、わたしがあのときゆるしたのは、元夫をゆるせない自分も含むまるごとの自分だったのです。
おわりに
こんなかんじで、わたしはゆるせない自分をゆるして、いえ単純に自分をゆるして前に進むことを選びました。
今ゆるせなくてつらいひと。
ゆるせないのは、もしかしたらほかの誰でもないあなたご自身かもしれません。
もしそうなら、自分をゆるしてあげて、前に進んでみませんか。
応援していますね。