ミラノ・スカラ座 Teatro alla Scala 
Teatro alla Scala Credit: Yuki Kai

ミラノ滞在中のクリスマス目前の週末、スカラ座でヴェルディのアッティラを観ました。

ミラノにはヴェルディの名のついた通り Via Giuseppe Verdi があるくらい、ヴェルディはミラノと深いつながりのある作曲家。

スカラ座でのクリスマスの演目がヴェルディの作品なのはぴったりとしか言いようがありません。

その日の遅い午後にオッソ・ブーコを食べるというミッションを成し遂げて一旦ホテルに戻ったわたしは、シャワーを浴びて着替えてから、教授とスカラ座へ向かいました。

関連記事:オッソブーコとリゾット・アッラ・ミラネーゼ

大理石造りのロビーにはクリスマスツリーが飾られ、独特の黒服を来た係の人たちが案内してくれます。

ミラノ・スカラ座 Teatro alla Scala 
Credit: Yuki Kai

お客さんのいでたちはさすがイタリア、特にマダムの毛皮率が高くゴージャス感半端ないです。

ミラノ・スカラ座 Teatro alla Scala 
Credit: Yuki Kai

ロビーから係員の立つドアを抜けると、さらにドアのたくさんある廊下があり、男性係員が登場。

教授がチケットを見せると、こちらです、とドアの鍵を開けてくれました。

あぁ、なんと!

夢のバルコニー席ではありませんか?

ミラノ・スカラ座 Teatro alla Scala 
Credit: Yuki Kai

これは…憧れの貴族の世界。

ヨーロッパの時代劇映画に出てくる、羽根のついた扇をふわふわとさせながらオホホホホと笑い、小さなオペラグラスで向かいのバルコニーのライバル伯爵夫人を観察するアレです!

あぁ、そんな!

今夜がバルコニーデビューと知っていたらイブニングドレスを着てきたのに!!!

とイブニングドレスを持ってない自分を棚に上げてショックを受けるワタクシ。

でも、まぁカクテルドレスなので良しとしましょう。

教授なんてセーターにジーンズというオペラ通ぶりです。

バルコニーの個室には椅子が6個あり、窓辺に背もたれのある椅子がふたつ、そしてその奥に背もたれのない椅子が2つづつ向かい合わせに並んでいます。

わたしたちは背もたれのない席だったのですが、もしかしたら誰も来ないかも!と言いつつ、しばらく貴族ごっこを楽しみました。

が、背もたれアリの席を予約したカップルはしっかり登場。

そのカップルの背の高い女性の着こなしが、レースの袖なしロングドレスに毛皮のストールをプラスしてほどよいゴージャス感。

ミラノ・スカラ座 Teatro alla Scala 
Credit: Yuki Kai

ジャケットやコート全体が毛皮だとちょっと年齢もプラスされて貫録が出るかんじですが、彼女のストールのように少ない面積の毛皮だと、老けずにゴージャス感だけプラスできるかんじ、とても参考になりました。

しかし、バルコニー、なかなか他人との距離が近いです…。

幸いほかの2席は空席のままだったのですが、6人全員バルコニーに入って、その中に体格の大きな人がいたりすると、ちょっと視覚的に窮屈なかんじがするでしょうね。

そうそう、それぞれのバルコニーには専用のクロークルームがあり特別感溢れています。

廊下で係の人が待機しているので、鍵を開けてもらってコートや荷物を置くんですよ。

ロビーで長~い列に並んで預けたコートを受け取っていた庶民時代が懐かしいです。

さて、その夜のスカラ座のアッティラは、歌手の質、オーケストラの音もさることながら、最後まで飽きさせない舞台装置と演出で(本物の馬も登場し途中ちょっと自分勝手していました笑)、一瞬も眠くなることのない素晴らしさでした。

そして、終わった後の延々、延々、延々、延々、延々~~~~と続く「俺を見てくれ!」的カーテンコールに思いっきりイタリアを感じました。

ホントにあんなに何度もおじぎをしまくるカーテンコールは初めて^^

そんなイタリアンなところもまた印象に残り素敵でしたね。

ミラノ・スカラ座 Teatro alla Scala 

それにしても、スカラ座内部の赤と金に、わたしの前世の貴族の血が大いに騒ぐ一夜でした。

帰りは領主として下々の者の生活を知るため、馬車を断り、モンテナポレオーネ駅から地下鉄に乗ってホテルに戻ったのでした。

Montenapoleone
Credit: Yuki Kai

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