Arizona Sake
Credit: China Cassidy for The Tribune

今日はアリゾナ酒応援記事第2弾、2020年2月5日付けトリビューン紙掲載記事の日本語訳をお届けします。

アリゾナ酒が地元ホルブルックでどんな位置づけなのか、そして櫻井氏のホルブルックを盛り上げる構想などがよくわかる内容です。

酒粕についても触れられていますので、ぜひ読んでみてください。

よかったらこの記事をシェアして、日本の方にもアリゾナ酒のことを教えてあげてくださいね。

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2020年2月5日
原文: China Cassidy for The Tribune
Atsuo Sakurai’s sake success sets the model for local development
日本語訳: Yuki Kai

2019年9月、国際的に知られるアリゾナ酒カンパニーの創立オーナー櫻井厚夫は、ナバホ通りの北端に酒蔵をオープンした。妻ヘザーと自宅で酒造りを営んできた櫻井は、酒蔵を自宅ガレージから移転し、彼の片腕となって働く従業員をひとり雇った今、彼の酒造りの場に大きな構想を抱いている。自身の酒ビジネスがやっと軌道にのってきた櫻井は、次のレベルにいつでも進んでいきたいと語る。

櫻井はもう何年も前に酒造りの技術を彼の出身国日本で身につけた。櫻井がオールドウエストの街にやってくるきっかけとなったのは、たまたま日本を訪れていた一人のホルブルック女子との出会いである。櫻井は2014年にホルブルックに家族で移り、自宅で酒造りを始めた。櫻井の酒造りへの情熱は熱く、彼は酒造りをなんとかしてビジネスにする気だった。「酒造りを学び、ファイナンス、戦略、そして哲学を整えながら起業に向けて準備していくのは時間がかかりました。」と櫻井は語り、起業の際に視野に入れるべき側面が数多くあることを説明した。

2017年、櫻井はアリゾナ酒カンパニーを正式に立ち上げた。それ以来、彼は幾多の賞でトップに輝いている。同時に、世界的に知名度の高い酒通で、日本酒やワイン指南書などの著作も多い株式会社 横浜君嶋屋 四代目代表取締役社長 君嶋哲至(きみじまさとし)氏をして「全米一の酒」と言わしめた櫻井の酒は、あっという間に世界中の注目を集めるに至った。櫻井はこのインタビューで、アリゾナ州内のホールフーズで彼の酒の取り扱いが始まったことを明かしている。

現在櫻井のただ一人の従業員であるスティーヴ・ペックは、開業以来櫻井の下で働くのを心から楽しみ、櫻井が全行程においていかに細かい注意を払って酒を造っているかを理解しつつも、職場環境は極めて快適だという。「櫻井の下で働くのは楽しいよ。」ペックは言う。

まずまずの規模の酒蔵は非常にオーガナイズされており、貯蔵エリア、製造ルーム、そして二人の男性が作業できるスポットをいくつか有する。櫻井は彼の酒造りの工程を説明してくれたが、当然ながら工程の大部分は企業秘密だ。彼は発酵中の米が入ったステンレス製の二つの巨大な容器を見せてくれた。発酵によりアルコールが生成されるので、強いアルコール臭が漂う。米の発酵後、櫻井らは米を搾り、米から出る全ての液体を出し切る。潰され絞られた後に残る副産物は酒粕として知られ、櫻井によると無駄にされることはないという。「(酒粕は)消化器系に効用があるし、鶏にもいいんです。」

彼は、10オンスの酒粕と大さじ5の醤油を混ぜるだけでとてもシンプルな魚のつけ床ができると教えてくれた。早速このつけ床にサーモンを24時間漬け込んでグリルで焼いてみると、サーモンの身がとてもしっとり焼き上がった。甘やかとも言える香りで魚の臭みは消え、酒粕から出ていたアルコールの香りも飛ぶので、ささやかながらシンプルで美味しい一品が出来上がった。

櫻井はフェニックスエリアの様々なレストランに酒粕を卸している。また、櫻井が酒を造っていることを知る顧客たちが様々な場所からホルブルックを通過するときに櫻井のもとへ立ち寄り、酒粕を買い求めて行くことはしょっちゅうだという。彼は地元の購入希望者には喜んで酒粕を提供したいと語る。酒粕はガロン売りで、1/2ガロン入り10ドル、1ガロン入り20ドルで購入できる。

櫻井はサポートし合うサイクルを作りたいと語る。酒粕の説明で彼が触れたように、鶏は酒粕が好物なので、彼の近隣の住民は酒粕のお返しに鶏が産んだ卵を櫻井に渡すのだという。持ちつ持たれつでこのサイクルが続いている。

現在のところ櫻井の酒造りへの挑戦は非常に順調で、アリゾナ酒カンパニーに投資者の類を迎えることは考えていないが、コミュニティの他のメンバーたちと新たに協力し合い、経営を拡大する手助けをしたいと思っている。

櫻井は人々が集い楽しい時間を過ごせる場所を提供できたらと考えているという。そこでのネットワーキングを通じ、彼らそれぞれのビジネスゴールを達成出来るならなお良し。地元の住民たちが集まって彼らの商品を販売できるファーマーズマーケット的なものでもいいかもしれない、と彼は言う。「夢や情熱を持つ人たちとつながりたいし、場所またはプラットフォームを作ってそこに集まれるといいなと思うんです。夢を創り上げる手助けがしたいんです。」櫻井は語る。彼はメンターになるということを言っているのでは必ずしもないけれど、ビジネスの夢をかなえながら生きていきたい人をサポートするシステムを作り友情を築きたいと言う。

彼の夢のひとつは、コーヒーショップを開いて学びの環境を提供することだと、櫻井は語る。そこで人々が学びつつ交流し、ネットワーキングしながら考えをシェアし合い、各々のビジネスへの挑戦を続けながらお互いを支え合う、そんな場所にしたいと言う。

櫻井は何か良いアイデアがある人がいたらいつでも相談に乗りたいと言い、彼のプランと、どうしてサポートが地方のコミュニティーで成功する大きな鍵であると確信しているかを次のように語った。

「僕は、情熱のある人同士がお互いのために動くときのシナジー(協働効果)って凄いと思うんです。僕やあなたの利益だけを求めたり、人を出し抜くのではなくて。僕たち全員のためになるようなアイデアのある人がいたら、いつでも相談に乗ります。農産物や手作りのジュエリー、アート、卵などを販売するマーケットなんて良いと思います。僕がホルブルック外の人々を惹きつけるので、あなたはブースを設営してあなたの商品を売るんです。どうでしょう?自分のビジネスを持ちその稼ぎで生きていくのは楽しいですよ。その楽しみを僕は広めたいんです。僕のもう一つの夢は小さなカフェです。人々が美味しいコーヒーを飲んで、本を読んだり、宿題をしたり。僕もそんなふうに過ごすのが好きなんです。僕の酒ビジネスのゴールは今後も少しづつ成長し続け、人々を僕の酒で幸せにすることです。」

幾多の障害を乗り越え、リソースの限られた地方で見事に起業を果たした櫻井。彼はハードワークと、情熱、そして仲間への配慮とサポートがあれば地方での起業が十分可能であるという優れた手本を私たちに示してくれた。

アリゾナ酒はホルブルックではWest End Liquor および Hatch’s Quick Stop で購入可能だ。

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