イエナ

 

ザルツブルクからオートバーンでイエナへ

 

タイトルを「イエナ。私は美しい。」にしようかと一瞬迷いましたが、オヤジギャグと昭和の香りが漂いすぎるので、今回は見送ります。

わたしがまだ日本にいた15年以上前には「イオナ。私は美しい。」 という化粧品のコマーシャルがあったのです……これって今もあるのでしょうか?

ま、そんなことより旅のおはなしを。

土曜日にミュンヘン空港に到着し、ザルツブルクへ。

そして日曜日の夕方、ザルツブルクを発ってドイツ・チューリンゲン地方の古都市、イエナへ向かいました。

オートバーンを結構なスピードで走るわたしたちの横を、ベンツやポルシェなどのドイツ車がもの凄い存在感でもってミラー越しに近づいてきたかと思うと、ひゅんっっっっっ と抜き去ります。

あっという間に視界から消える様は、それはそれは爽快で、惚れ惚れ。

美しいだけでなくて速くてなんぼの世界なんですね。

あぁ?

ますますドイツ車ファンになってしまいました。

 

map_salzburg_to_jena

 

イエナは文化的に渋い街

 

イエナのスペルは Jena。

Jで始まるけれどジェナではないのですね。

そういえば好物のドイツ料理、イェガーシュニッツェル (きのこたっぷりのグレイビーソースのかかった仔牛のカツレツ) も、スペルは Jägerschnitzel でJから始まっています。

さて、イエナは知る人ぞ知るといったかんじのなかなか文化的に渋い街です。

バックグラウンドとしての注目ポイントはざっくり下記の3つ:

  • カール・ツァイスが、1846年に精密機器および光学部品の工房を開設し、カール・ツァイス (ZEISS) 社として創業した場所です。エルンスト・アッベオットー・ショットとともにイエナの産業都市としての基盤を作り上げました。
  • 大学町でもあり、1558年に設立されたイエナ大学 (現在はフリードリヒ・シラー大学) は、 ゲーテが人事を担当して招聘(しょうへい)したシラー、フィヒテ、シェリングといった当時の知識人が教鞭をとりました。ちなみにシラーはベートーヴェンの交響曲第九番の原詩の作詞家としても有名ですね。彼は哲学教授としての資格を持っていましたが、イエナ大学では歴史学を教えました。
  • プロテスタンティズムの創始者マルティン・ルターゆかりの地であり、彼の墓標のオリジナルがイエナの教会に保存されています。

ランドマーク的には近代的なイエナタワーが街の中心に立っていて、展望台から街を見渡せるほか、マルクト広場や光学博物館、プルヴァー塔 (写真下)、ゲーテの監督の下作られた植物園、世界最古のプラネタリウム、ショットグラスの生みの親、オットー・ショットの邸宅など、小規模な都市ながら見て歩くところは意外とある印象です。

 

イエナ

 

さて、気楽なレンタカーの旅、あいにく事故による渋滞に巻き込まれ、到着が大幅に遅れます。

その日のホテルはチェックインが9時までということだったので、遅れる旨ホテルに電話。

すると…。

9時にはフロントを閉めて家に帰るから9時以降はムリ、ほかをあたって、などと言うではありませんか!!!

そしてドイツ語で何かぐちゅぐちゅ言って、一方的に電話を切られてしまいました。

……呆

ありえません!!!

ここはアメリカか!と吠えそうになりました。

携帯電話の電波状況もあまり良くなくて、インターネットでほかのホテルを検索しようにもなかなかうまく行きません。

仕方がないので、わたしたちはその夜は寒さに震えながらイエナの路上で車中泊。

翌朝、教授は車の中で着替えて学会へ。

わたしは1日ふてくされていたのです。

 

イエナ

 

……なんてことは全然ないです。

イエナに着いて、教授がちょっと待っててね~、と車を降りたかと思ったら、あっという間にホテルの部屋を見つけてきてくれたのでした。

おぉっ。

まるでスーパーマンのようです。

泊まったのは ibis というビジネスホテルっぽいホテル。

路面電車乗り場の近くで、DB (ドイツ連邦鉄道)  Jena Paradies 駅も徒歩圏内で便利でした。

車は地下の立体駐車場を利用できます。

勝手にキャンセルされたホテルは可愛いけれどちょっと街から離れていたので、動きやすいところに泊まれたのは結果的にとてもラッキーでした。

転禍為福、ですね?

めでたし、めでたし。

次回はイエナでチューリンゲン料理をいただきます。

 

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