イタリア・モデナにあるエンツォ・フェラーリ・ミュージアムは、

フェラーリ創始者エンツォ・フェラーリ氏とフェラーリの歴史を辿りつつ、

車というものがどこまで美しくなりえるかを知ることができる博物館です。

この記事では、エンツォ・フェラーリ・ミュージアムで展示されていたフェラーリモデルと、フェラーリ・エンジン・ミュージアムの展示をご紹介します。

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好きなのを1台だけ選ぶなんてムリ!美しいフェラーリの数々

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Credit: Yuki Kai

エンツォ・フェラーリ・ミュージアムのロビーは、フェラーリカラーの黄色と、イタリアのレーシングカーカラーの赤を基調としたすっきりとしたデザインです。

レーサー時代のエンツォ・フェラーリが大きく描かれた壁の向こうが展示場です。

今回の展示のテーマは Il Rosso e Il Rosa – Women and Ferraris – The Untold Story。

それぞれの時代のフェラーリモデルと舞台や映画、スポーツ界で活躍する女性たちとの結びつきを描く展示です。

では早速見てみましょうか。

フェラーリ750モンツァ(1954年)

フェラーリ750モンツァ(1954年:Ferrari 750 Monza)は、エヴァ・ガードナーがグレゴリーペックやフレッド・アステアと共演した映画「渚にて」(1959年: Le Dernier Rivage)に登場するモデルです。

この時代の流線形のデザインが好きなひとにはたまらない可愛いフェラーリですね!

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Ferrari 750 Monza (1954)
Credit: Yuki Kai
エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Ferrari 750 Monza (1954)
Credit: Yuki Kai

フェラーリ+カロッツェリア・トゥーリング・スーペルレッジェーラ

革のベルトが可愛すぎるこのフェラーリ、後姿が滑らかな見返り美人ですね。

モデル、失念してしまいました。ごめんなさい。

たぶんフェラーリ166か195あたりだと思います。

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Credit: Yuki Kai
エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Credit: Yuki Kai
エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Credit: Yuki Kai

フェラーリ250 GT ベルリネッタ SWB(1959年)

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Ferrari 250 GT Berlinetta SWB (1959)
Credit: Yuki Kai

写真のフェラーリ250 GT ベルリネッタ SWB(1959年:Ferrari 250 GT Berlinetta SWB)は、

イタリアの旧王族で、最後のイタリア王ウンベルト2世の娘マリア・ガブリエッラ・ディ・サヴォイア(Maria Gabriella of Savoy)が乗ったモデルです。

プリンセス、車のセンスいいですね!

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Ferrari 250 GT Berlinetta SWB (1959)
Credit: Yuki Kai
エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Ferrari 250 GT Berlinetta SWB (1959)
Credit: Yuki Kai

フェラーリ250 GTO (1962年)

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Ferrari 250 GTO (1962)
Credit: Yuki Kai

フェラーリ330 GT(1964年)

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Ferrari 330 GT (1964)
Credit: Yuki Kai

フェラーリ330 GT(1964年:Ferrari 330 GT)はフランスのメゾン クリスチャン ディオールが使用したモデルです。

ディオールの華やかなイメージと対照的な地味なモデルに一瞬思えたのですが、

メゾン・ディオールで注目されるべきはドレスであって、車は引き立て役でなければなりませんから、このモデル選択はしかるべきですね!

フェラーリ250カリフォルニア(1964年)

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Ferrari 250 California (1964)
Credit: Yuki Kai

フェラーリ250カリフォルニア(1964年:Ferrari 250 California)は、シャーリー・マックレーンがアランドロンと共演した映画「黄色いロールスロイス The Yellow Rolls-Royce 第2話イタリア・ジェノヴァ編に登場するモデルです。

「黄色いロールスロイス」はロールスロイスの1930年モデル Phantom II Sedanca de Villeをめぐるコメディです。

なぜそこにフェラーリが登場するのか…映画を見てみたくなりますね!

フェラーリFF (2011年)

フェラーリFF (2011年:Ferrari FF )は Jay-Z が購入したもののもっぱら奥様のビヨンセが運転しているというモデルです。

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Ferrari FF (2011)
Credit: Yuki Kai

レーシングモデル

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Photo Credit: YTPHD

レーシングモデルも多数展示されていました。

レーシングモデルの方が好きな方は、マラネッロのフェラーリ・ミュージアムの展示が充実しているので、そちらにも足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

フェラーリ・エンジン・ミュージアム

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Credit: Yuki Kai

エンツォ・フェラーリ・ミュージアムでは、自宅で板金工として働いていたエンツォ氏の父親アルフレード・フェラーリ氏のワークショップが復元され、フェラーリ・エンジン・ミュージアム (The Ferrari Engines Museum) として公開されています。

このエンジン・ミュージアムでは、エンジンの移り変わりを時代を追って真近で見ることができるほか、壁にはエンツォ・フェラーリ氏の人生を綴る写真が展示されています。

この記事のエンジンの写真は展示の一部ですが、1967年には 8000 rpm で 180 hp だった最高出力が、2010年には 同じ8000 rpm で 660 hp に進化していますね。

ちなみに馬力には英馬力 hp (=horsepower) と仏馬力 ps (=pferdestarke) のふたつの表示があって、日本では ps 表示なのですね。

どちらもあまり大差ないのですが、1 hp がおよそ1.014 ps なので ps 表示のほうがほんのちょっとだけ数字が大きくなります。

フェラ―リ エンジン
左のF135B はディーノV6と呼ばれ、ディーノ206GTに搭載
Credit: YTPHD
フェラーリ エンジン
Credit: YTPHD
フェラーリ エンジン
Credit: YTPHD

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム 場所

Museo Enzo Ferrari


エンツォ・フェラーリ・ミュージアム ウエブサイト

見学所要時間は1時間くらいです。

駐車場は無料でした。

お出かけ前に上記ウェブサイトで最新の情報をご確認ください。

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム
Credit: ferrari.com

パヴァロッティ博物館

展示場では、30分おきにエンツォ・フェラーリの生い立ちとフェラーリの歴史を描いた映画が上映されていました。

その映画の最後のシーンで使われている曲は、イタリアの作曲家プッチーニのオペラ「トゥーランドット」からの1曲 「Nessun Dorma 」。

この曲の一番最後の歌詞「vincero!」はイタリア語で「勝利」の意味なので、映画のシーンにぴったり。

感動ひとしおです。

映画の最後のクレジットを見逃したのですが、あの歌声はパヴァロッティのほかにありえないでしょう。

パヴァロッティはエンツォ・フェラーリと同じくモデナ出身のテノール歌手です。

彼の家はミュージアムとして公開されていますので、興味のある方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

Casa Museo Luciano Pavarotti

Stradello Nava 6, 41126, Modena, Italy

なお、パヴァロッティが所有していたフェラーリF40は、

スクーデリア・フェラーリ所属のF1レーサー、セバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel) が購入していますよ。

もうひとつのフェラーリ博物館「フェラーリ・ミュージアム」in マラネッロ

フェラーリのミュージアムはもうひとつ、モデナから約20km、車で約30分離れたマラネッロ( Maranello )にもあります。

こちらはフェラーリ工場に隣接していて、木型をはじめフェラーリが作られていく工程を見たり、F1レースカーの運転を疑似体験することもできますよ。

Museo Ferrari
Via Alfredo Dino Ferrari, 43, 41053 Maranello MO, Italy

フェラーリ・ミュージアム ウエブサイト

関連記事:フェラーリ・ミュージアム in マラネッロ

おわりに

エンツォ・フェラーリ・ミュージアム、いかがでしたか?

展示場には美しいフェラーリがズラリで、フェラーリファンはもちろん、車好きな方は必見です。

車に興味のない女性の方でも、素敵なフェラーリの数々には思わずときめいてしまうのではないかと思います。

モデナは食事も美味しいので、近くまで行かれたらぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

この記事の続編:
フェラーリエンブレムの由来|エンツォ・フェラーリ人物像とふたりの息子 ディーノとピエロ・フェラーリ

フェラーリ関連記事:

フェラーリ 250 GT ベルリネッタ パッソ・コルト SWB

フェラーリ・ミュージアム in マラネッロ

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